電池取り付けEVバスに 西鉄、新車・海外改造より安く

西日本鉄道は9日、既存のディーゼルバスを電気自動車(EV)に改造する作業を公開した。西鉄では2030年までに保有するバスの2割ほどにあたる600台程度をEVに転換することを目指しており、台湾メーカーの技術指導を受けて国内の工場で改造ができる体制を目指す。
改造は台湾の大手EVバスメーカー、RACの技術者を招いて西鉄車体技術(北九州市)で実施している。9日はディーゼルバス後方のエンジンがあった部分に、専用の電池を取り付ける作業を公開した。

今回の電池は1個が約167キログラム。EVバスには電池を10個積むが、4個はもともとエンジンがあったバスの後部に設置し、残りの6個は車内に置く。フル充電で130キロメートルほど運行できるという。

西鉄は現在、台湾で改造したEVバスを北九州市内で運行している。今回、西鉄車体技術で実施している改造費用は約2700万円で、新車のEVバスを購入したり、海外でバスを改造したりするよりも安くできる。改造完了後は走行試験などをした後、4月から福岡市内で運行する予定だ。西鉄では23年度以降、年間数十台のペースでEVバスへの改造をしていくという。

温暖化ガス排出を実質ゼロにするカーボンゼロ。EVや再生可能エネルギー、蓄電池、各国政策などの最新ニュースのほか、連載企画やデータ解説を提供します。