鹿児島・日置市、メタバースに名所再現 費用は寄付募る
鹿児島県日置市は仮想空間「メタバース」上に、市内の観光地など名所を紹介して市外の人と交流する「ネオ日置計画」を立ち上げた。市と協力企業がネット上で計画発表会を開き、動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開した。メタバース上に市外の人が訪れる場所を設けることで日置ファンを増やし、地域と継続して関わりを持つ関係人口を増やしていく狙いだ。

発表会は戦国時代の雰囲気を体験できる市内の観光施設、よしとし軍議場で開き、併せて配信した。永山由高市長や市職員、ホームページ制作などを手掛けるLR(日置市)の末永祐馬社長らは甲冑(かっちゅう)姿で参加した。永山市長は「新型コロナウイルスが広がる中、日置市に行きづらいという声も多く聞いた。オンライン上で人が集まれる場所を作って、地域の活性化に役立てたい。特に小中学生など若い人に参加してもらいたい」とあいさつした。
その後、NTTが提供するメタバース「DOOR」上に参加者がアバター(分身)で登場し、市内の名所再現に向けた考えを説明した。具体的には、島津四兄弟(義久・義弘・歳久・家久)が生まれた伊作城やJR伊集院駅前の島津義弘公騎馬像などを専用サイトで紹介し、どの観光地をメタバース上に建設するかを選挙で決める計画を発表した。必要な費用は、ふるさと納税制度を活用した資金調達であるガバメントクラウドファンディングで募り、集まった額に応じて再現していくという。

ネオ日置は2023年1月から制作を始め、同3月から順次公開する予定。将来は電子商取引(EC)ができる市場スペースも設けるほか、アバターをふるさと納税の返礼品に取り入れる考えを示した。
メタバースはネット上の仮想空間にアバターで参加し、他者とコミュニケーションする空間。消費者がゲームを楽しんだり、商品を紹介したり販売したりするために企業が開設することが増えている。

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