支援学校が廊下に小部屋 福岡市、人権侵害と生徒

福岡市の特別支援学校中学部に通っていた知的障害や発達障害のある男子生徒と保護者が8日、気持ちを落ち着かせるとの名目で、廊下を段ボールで仕切った小部屋に入れられたのは人権侵害だとして、福岡県弁護士会に人権救済を申し立てた。生徒や保護者の意見を聞かず、人目にさらされる場所に入れられたと訴えている。

市教育委員会は小部屋の存在を認めた上で、感情を落ち着かせるために必要で、学校に通う生徒や保護者には説明していたと主張。学校への聞き取りや指導記録から、他の生徒がこの部屋に入ったことはあったが、今回の男子生徒が入ったことはないとした。
申し立て後、記者会見した母親は「落ち着かせる必要は分かるが、学校が用意した場所は、見せ物にしているようだった」と涙ぐんだ。
母親によると、2019年夏、中1だった生徒は「僕だけの部屋がある」と母親に訴えた。その後不登校になり、市外に転校した。〔共同〕