福岡市、コロナ患者の搬送ルート最適化 量子計算機活用
福岡市は新型コロナウイルス感染者を宿泊療養施設に搬送するための最適ルートを、量子コンピューター技術を活用して導き出す。患者の住居までの所要時間や宿泊施設の空室など複数の条件から、最適な搬送ルートを瞬時に作成できるようにした。感染者数の急増で搬送業務が複雑になるなか、業務の効率化を目指す。
人工知能(AI)ベンチャーのグルーヴノーツ(福岡市)が提供する、AIと量子コンピューター技術を組み合わせたクラウドサービス「マゼランブロックス」を採用した。「搬送患者の数」「住居までにかかる時間」「車両の定員」「宿泊施設の空き状況」など複数の条件を入力すると、量子コンピューターが最適なルートを作成する。
これまでは市の担当者が管轄の保健所から患者情報の連絡を受け、宿泊療養施設の空き情報などをもとに搬送計画を作成していた。新型コロナの変異型「オミクロン型」の感染拡大で感染者数が急増し、搬送対象が1日に数百人規模まで拡大する可能性もあるため、システム導入を決めた。
グルーヴノーツと福岡市は1月、行政事務の効率化や市職員のデジタルトランスフォーメーション(DX)人材育成などで協定を結んだ。
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