福岡空港の4~9月期、最終赤字61億円 旅客増も回復鈍く
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福岡空港を運営する福岡国際空港(福岡市)が2日発表した2022年4~9月期の単独決算は、最終赤字が61億円(前年同期は91億円の赤字)となった。新型コロナウイルスの感染拡大が比較的落ち着き、国内線と国際線を合わせた旅客数は前年同期比92%増の708万人になった。ただコロナ禍前の18年4~9月期に比べ42%減と、厳しい状況が続いている。

債務超過額は243億円に膨らんだ。福岡国際空港は滑走路の増設や国際線ターミナルの拡張により、25年度以降に債務超過を解消することを目指している。
売上高に当たる営業収益は45%増の115億円だった。永竿哲哉社長は「少し明るい材料が見えた上半期だった」と振り返った。国内線の便数は18年同期の99%まで回復しており、同旅客数も79%に戻っている。リモートワークの浸透などで出張客が完全には戻らない状況にはあるものの、「観光などの需要はさらに戻ってきてほしい」(永竿氏)とした。

国際線の便数は18年同期比で87%減となった。10月に国が入国制限を緩和したことで、11月時点での韓国線の便数は18年同月比で30%減まで回復する見通しだという。10月にはバンコク線で新規就航するなど、国際線の便数は戻りつつあるとした。
10月~23年3月について永竿氏は「旅客数が今のペースで推移していけば、それなりの数字にはなるだろう」と話した。22年度上期には国際線ターミナルビルの拡張工事に着手するなど、「将来への投資も着実に進めていきたい」(永竿氏)とした。
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