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九州・沖縄の景況感、製造は改善 非製造3期ぶり悪化

日銀3月短観

日銀福岡支店が1日発表した3月の九州・沖縄の企業短期経済観測調査(短観)は、全産業の業況判断指数(DI)がマイナス7と前回(2020年12月)から2ポイント上昇した。製造業は好調な輸出を背景に大幅に改善したが、非製造業は宿泊・飲食など対面型サービスに関わる業種が新型コロナウイルス禍で低調で3期ぶりに悪化した。業種間で景況感に差が広がっており、景気の先行きや設備投資の動向にも影響を与えている。

DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から、「悪い」と回答した割合を引いた値。製造業は前回から9ポイント上昇のマイナス4、非製造業は2ポイント悪化のマイナス8だった。冨田淳支店長は「製造業は(プラスだった)コロナ前の水準へあと一歩まで迫ったが、非製造業は道半ばの状況だ」と指摘した。

製造業では自動車など輸送用機械がコロナ前の水準まで回復した。トヨタ自動車九州(福岡県宮若市)では20年度後半の生産台数が過去最高に並び、休日も断続的に生産を続けている。恩恵は鉄鋼や金属製品など幅広い業種へ及ぶ。電気機械などは在宅勤務の広がりなどコロナ禍での働き方の変化も追い風となった。全12業種のうち9業種が改善した。

非製造業では法人向けサービスなどはコロナ前の水準に迫ったが、娯楽などの個人向けサービスや宿泊・飲食は大幅に悪化した。EC(電子商取引)の活用や人出が増え、回復基調にあるが、インバウンド(訪日外国人)需要の消失や「3密」対策による人数制限で、コロナ前水準の回復は難しい。

博多大丸(福岡市)では3月に入り、来店客数がインバウンド需要を差し引いた水準でコロナ前の9割近くまで戻る日も出てきた。ただ大規模催事などの集客ができず完全な回復には至らないという。JR九州は2020年度の鉄道収入が19年度比半減し、青柳俊彦社長は「鉄道利用は21年度中は元に戻らない」と嘆く。

21年度の設備投資額は、全産業の計画値が20年度比で10.4%増と全国(0.5%増)を上回った。製造業では半導体などの増強投資が、非製造もIT(情報技術)や物流に絡む投資は旺盛で「全体では(最高水準だった)19年度に迫る高水準」(日銀福岡支店)。

ただ運輸や宿泊・飲食は前年度割れとなりそうだ。事業縮小を迫られる業種も多く、西日本鉄道は運営ホテルの稼働率が1~2月は2割台にとどまり、競争が激しい大阪・心斎橋でホテル売却を決めた。

3カ月先の予想は製造がマイナス4で横ばい、非製造はマイナス10と2ポイントの悪化を見込む。非製造ではコロナの感染拡大が落ち着く前提で、個人向けサービスや宿泊・飲食が大幅な改善を見込むが、小売業などで「巣ごもり消費の一巡を警戒して慎重な見方が多かった」(冨田支店長)という。

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