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中国5県の景況感、改善足踏み 造船・宿泊厳しく

コロナの影響が長引き、宿泊や飲食は厳しい状況が続く(2月、閑散とする広島市中心部の商店街)

日銀が1日発表した中国地方の3月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が全産業でマイナス7だった。前回(2020年12月)から3ポイント上昇し、3四半期連続で改善した。ただ改善は小幅にとどまり、回復ペースは鈍化した。海外経済の回復で自動車などが好調だった一方、造船や宿泊・飲食が苦戦するなど業種間で明暗を分けている。

業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた値で、企業がみる足元の景気を表す。調査対象は772社で、うち770社が回答した。全国の全産業DIはマイナス8と、前回から7ポイント改善した。

製造業と非製造業を合わせた全27業種のうち、20業種でDIが改善した。製造業は3ポイント上昇のマイナス9だった。自動車の回復が素材産業などに波及したが、造船などは厳しく全体としては小幅の回復にとどまった。

自動車のDIは19ポイント上昇して0となった。マツダの世界販売は2月に14カ月ぶりに前年実績を上回った。コロナの流行前に比べると依然として生産・販売の水準は低めなものの、中国や米国で需要の回復を取り込んでいる。

三菱自動車の水島製作所(岡山県倉敷市)の生産水準はここ数カ月、ほぼコロナ流行前に戻っている。工作機械メーカーの滝沢鉄工所は自動車部品メーカー向けなどを中心に「需要は緩やかに回復している」(担当者)という。

ただ自動車業界では半導体不足の懸念が強まっている。もともと世界的に需給が逼迫していたところにルネサスエレクトロニクスの工場火災も重なり、生産への影響は避けられない情勢だ。自動車の先行きDIは9だが、今回の短観の調査期間は2月末から3月末。半導体不足の見通しが完全に織り込まれていない可能性もある。

広島県のある部品メーカー幹部は「5月以降の減産は避けられないのではないかと部品メーカーの間で懸念が広がりつつある。半導体不足に関してはマツダからの情報共有も少ない」と話す。

化学は14ポイント上昇の17と、2四半期連続で改善した。日銀下関支店の峯岸誠支店長は「自動車生産の回復が波及しているほか、アジア各国の経済の持ち直しで輸出が増えている」と分析する。

「造船・重機・その他輸送用機械」は22ポイント悪化のマイナス35だった。中韓勢との激しい価格競争が続き、造船会社の生産水準が下がっている。

非製造業のDIは2ポイント改善のマイナス5だった。宿泊・飲食サービスは55ポイント悪化してマイナス61だった。国内でコロナの感染拡大が長引き、旅行需要がしぼんでいる。

島根県によると、世界遺産にもなっている石見銀山(島根県大田市)の龍源寺間歩の1〜2月の延べ入り込み客数は前年同期比で約65%減少した。周辺の三瓶温泉(大田市)も「客室稼働率は2割以下」(国民宿舎さんべ荘)と厳しい状況だった。

しかし山陰地方在住者に絞った宿泊費補助キャンペーンが3月に始まると、客足は徐々に戻ってきたという。宿泊・飲食サービスの先行きDIは28ポイント改善のマイナス33を見込む。

全産業の先行きDIは2ポイント悪化のマイナス9の見込み。新型コロナのワクチンに一定の期待が出ているものの、実際にいつ感染収束につながるか分からないという不安もあり、見通しには慎重な企業が多いという。

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