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広島の大規模PCR検査、企業に検査キット送付

広島県は29日、広島市中心部4区の住民や就業者を対象とする大規模PCR検査の実施概要を発表した。企業に検査キットを送付するなどして、約28万人が受検すると想定する。無症状者を早期に把握することで感染拡大を抑える。ただ、追跡業務が急増し、保健所の負担が大きくなる可能性もある。

県は現時点で決まっている検査手法などを公表した。住民向けでは4区に複数の会場を用意し、4区の検査を1週間ごとに分けて実施する。事前予約を基本とし、案内は郵送する計画。企業には検査キットを送付して回収する。複数の検体を混ぜてPCR検査をする「プール方式」とし、陽性判定は個別に再検査して感染者を割りだす。

県は検査能力を引き上げ、1日あたり最大8000人分(県外機関含む)を調べられるようにする方針だ。事業費は約10億円を見込み、国の臨時交付金でまかなう。記者会見した湯崎英彦知事は「対象者全体の4割ほどの受検者から無症状者を顕在化できるため、感染抑制につながる」と話し、今回の大規模検査の必要性を強調した。

費用対効果や医療体制の確保については課題も残る。県は大規模検査の陽性率を0.8~1.2%と見込み、期間中に2300~3900人の無症状者を発見できると試算する。現在1038室分の宿泊療養施設を確保しており、足元の占有率は1割ほど。今後は1400室程度に増やす見通しだが、急激に逼迫する可能性もある。湯崎知事は「短期的には負担がかかる。ただ、感染抑制につながるだけに、中長期でみれば負荷は軽減される」と訴えた。

無症状者との濃厚接触者を追跡する業務が急増する懸念もあり、保健所の負担も大きくなる可能性がある。県は広島市と連携し、保健師の派遣などについて同市以外の市町に依頼することも視野に入れる。

実施のタイミングについて湯崎知事は「本当は感染拡大前にもっと早く、大きくない範囲ですべきだったという反省は正直ある」と話した。広島市では直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者が8.8人(28日時点)と、ステージ3(15人以上)の基準を下回っている。2020年12月下旬のピークと比べると約5分の1にとどまっており、感染拡大は落ち着きつつある。

兵庫医科大の竹末芳生主任教授(感染制御学)も「広い範囲で検査をするのは感染対策上では効果的。ただ、感染拡大のピーク時に集中して検査するほうが納得感はある」と指摘する。

一方、感染経路が不明な割合は3割と比較的高い。湯崎知事は「市中感染は続いている」との認識を示し、大規模検査を実施する意義を強調した。広島市の人口10万人あたりの新規感染者が安定して4人を下回る水準が続くことなどを目安に「感染が収束すると見込める状況になれば別途判断する」と話した。

県は実施の日時や場所、予約方法などの詳細を近いうちに発表する。住民向けに送る案内から事前予約ができるようにするといった検討も進める。

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