中国電力、50年までにCO2実質ゼロ 原発・再エネ推進

中国電力は26日、2050年までに二酸化炭素(CO2)の排出量を実質ゼロにする目標を発表した。原子力発電所の稼働を見込むほか、洋上風力発電など再生可能エネルギーの導入を増やす。CO2排出量の多い低効率な石炭火力発電所については、段階的に休廃止する。50年のカーボンニュートラルを目指す政府と歩調を合わせる。
石炭火力については着手中の案件を除き、国内外で新設しない方針を示した。低効率な石炭火力発電所は31年3月期までに休廃止。三隅発電所2号機(島根県浜田市)の新設や島根原子力発電所(松江市)2号機の再稼働などで、CO2排出を減らせる電源に置き換えていく。CO2を分離・回収して再利用する技術の研究も進める。
また、燃焼時にCO2を出さないアンモニアや水素などの次世代燃料を開発・導入する計画も示した。同日に記者会見した清水希茂社長は「他社とのアライアンスや大学との共同研究に加え、異業種とも連携しながら挑戦していきたい」と述べた。
中国電の20年3月期の電源構成のうち、石炭火力は37%、再エネは5%だった。今後は石炭火力の比率を段階的に下げ、再エネを増やす方向。新電力などとの競争も踏まえ、一定のコスト競争力を維持しつつ、CO2排出量を減らす手段を探っていくという。