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金沢市、北陸電連合にガス事業譲渡へ 22年度民営化

金沢市は26日、ガス・発電事業譲渡の優先交渉権者として北陸電力を代表とするグループを選んだと発表した。譲渡希望価格は募集条件の186億円以上を上回る300億円。北陸電グループは5月に運営会社を設立し、22年度の事業開始を予定している。金沢市の譲渡により、北陸3県で電気やガスを供給する公営企業はなくなる。

都市ガスをつくる「港エネルギーセンター」などの資産も譲渡する

北陸電は運営会社に48%を出資する筆頭株主となる。東海地域を拠点とする東邦ガスが43%を出すほか、金沢市や北国銀行なども資本参加する。運営会社は金沢市からの職員派遣や北陸電グループからの出向者を受け入れ、約150人体制で事業を始める。

北陸電グループは料金の引き下げを金沢市に提案した。平均的なガス使用量の家庭の年間料金を1%程度安くする。電気も販売し、ガスと電気のセットプランは年間3%程度下がる。業務用も値下げするという。

金沢市は譲渡先を公募し、北陸電グループを含む2者が応募した。北陸電グループはガスと電気を組み合わせた料金体系のほか、乳幼児や高齢者がいる世帯を対象とする割引プラン導入などを提案した。市は安定供給に対する信頼性の高さや値下げなどを評価して選定した。

電力やガスは小売り自由化で競争が激化しており、公営企業の経営環境は厳しくなっていた。ポイント還元などができる民間企業に対し、公営企業は法律の制約から難しい。金沢市は市民に多様なサービスを提供するために民営化が必要と判断した。

公営企業の事業譲渡は全国で相次いでいる。北陸では福井市が20年4月に都市ガス事業を民営化した。仙台市でもガス事業の譲渡に向けて協議している。

北陸電、都市ガス事業に本格参入

北陸電力は金沢市のガス・発電事業を継承する運営会社の筆頭株主となることで、都市ガス事業に本格参入する。同市の事業が別の大手電力会社などに渡れば、電気の料金競争が激しくなり、北陸電の収益を圧迫する。北陸のエネルギー市場で主導権を維持するため、ガスにも手を広げる。

北陸電は福井市のガス事業を引き継いだ福井都市ガス(福井市)にも34%出資しているものの、筆頭株主は関西電力。金沢市はガスと電力を一体で引き受けることを譲渡の条件にしていた。北陸電は第2位株主となる東邦ガスのノウハウを借りる。東邦ガスは金沢市と液化天然ガス(LNG)の供給などで以前から協力関係にある。

首都圏では東京電力エナジーパートナー(EP)、関西では関西電力がガスに進出している。両社の動きは東京ガス大阪ガスといった大手ガス会社の電力事業参入に対抗する意味合いがあった。北陸には有力なガス会社が少なく、北陸電があえてガス事業を始める理由はなかった。

一方、全国の大手電力会社で最も料金水準が低いとされる同社も、最近は他社に競争をしかけられていた。家庭用では19年に東電EP、20年にENEOSが北陸に進出した。工場などの業務用のシェアは20年11月時点で84%と、3年前から14ポイント程度低下した。北陸3県で人口が最も多い金沢市で他社が安値攻勢をしかけると、北陸電を取り巻く環境は厳しさを増していた可能性がある。

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