脱車依存に力点、公共交通で割引 富山市21年度予算
富山市は脱車依存に向け公共交通機関を利用する際に独自の割引策を設ける。22日に発表した2021年度予算案に関連経費を盛った。同市は公共交通を軸としたコンパクトシティー政策を推進しており、取り組みを強化する。同予算案は1727億円と、市町村合併という特殊要因の働いた05年を除いて過去最大となる。

2~3月補正予算を含む21年度予算案の一般会計総額は前年度比5.3%増の1792億円。うち54億円をワクチン接種やひとり親世帯への給付金などの新型コロナウイルス対策にあてる。小中学校の耐震化工事がピークを迎えることから大型の予算編成となる。
新規事業では公共交通を軸とした街づくりに力点を置く。498万円を投じ、富山地方鉄道(富山市)が63歳以上の高齢者に販売している定期券に社会実験として市独自の割引を実施する。例えば、同社が運行する鉄道・路面電車・路線バスが乗り放題の12カ月券は通常価格より9500円安い6万円で購入できるよう助成する。森雅志市長は「今後の交通政策のあり方を検討する」と説明する。
市民が街を歩きたくなるようなビジョンの策定に向け1000万円を投じる。このほか全国的に見ても低い信号機のない横断歩道での車の一時停止率の向上のためのルール定着事業としても1000万円を計上する。市中心部をはじめとした街中で歩行者が安心して通行できる環境を整える。