立命館 エドテック新興と連携、AI教育などで

学校法人立命館は22日、人工知能(AI)を用いて教育システムを開発するatama plus(アタマプラス、東京・品川)と、教育とICT(情報通信技術)を融合させた「EdTech(エドテック)」の導入実証実験で連携協定を結んだ。新型コロナウイルス禍で学校をとりまく環境が変わる中、高校生の基礎学力強化や入試改革などで連携する。
2021年1月から付属の立命館守山高校(滋賀県守山市)でアタマプラスが開発するAI先生「atama+」を活用する。生徒の学習の様子を解析し、個人に合った教材を生成する同システムを立命館大学の理系学部や経済学部へ進学する3年生100人を対象に使い、基礎学力を定着させる。
入試制度の改革も実行する。22年度の学内推薦入試をメドに、「atama+」で得た学習歴のデータを合否判断の一つの材料にする予定だ。同時にコロナ禍で新たな形が模索されているオンライン入試のプラットフォーム構築に向けた研究を進める。連携協定期間は22年3月末まで。その後は1年ごとに更新する。
「atama+」は全国の塾・予備校2000教室に導入されている。アタマプラスの稲田大輔社長は「基礎学力にかかる時間をテクノロジーで効率化できる」と強調。一方で立命館の森島朋三理事長は「1人の個性を伸ばす教育には課題があった」という。エドテックを活用することで基礎学力の定着を効率化し、探求型の学習にもより力をいれたい考えだ。森島氏は「日本の教育や社会に対して新たな価値を提供していきたい」と意気込んだ。