「福井の食の魅力発信」 飲食店有志が事業協同組合

福井の食の新たな魅力を発信したいと、県内飲食店の有志らが「福井グルマンディーズ事業協同組合」を立ち上げる。県内の飲食店は新型コロナウイルスの感染拡大で苦境に陥っている一方、2024年春に控える北陸新幹線の敦賀延伸への期待感もある。複数の飲食店が連携し、個店では難しい新メニュー開発や商品企画を進める。
レストランやバー、越前打刃物メーカーの経営者ら計7人が発起人で、福井市の老舗料亭「開花亭」の開発毅社長が理事長に就く。アドバイザーとして「Smile Circle」(兵庫県芦屋市)の岩城紀子社長が参加する。1社では資金や規模の面から難しいアイデアでも、事業組合形式なら各社の負担を減らしながら実現できる。
福井の食文化を真摯に発信したいという思いから、フランス語で「ごちそう」などを意味する「グルマンディーズ」と名付けた。商品開発や企画の資金は組合の加盟社で出し合うほか、商工組合中央金庫とも連携。事業計画の策定はふくい産業支援センターとも協力する。開発社長は「組合では自分の店舗ではできないような、さまざまな挑戦をしてほしい」と話す。
21年秋をめどにプロの料理人や飲食店経営者向けの研修を開催する。また、福井を代表する新メニューや、羽二重餅など既存の名物の新しい食べ方の提案などを企画する計画だ。開発したメニューは加盟飲食店で食べられるようにするほか、連携したキャンペーンなどで発信していく。24年春の北陸新幹線延伸に合わせ、独自ブランドの立ち上げや製造も検討する。