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ワタベウェディングが私的整理 興和の完全子会社に

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婚礼大手のワタベウェディングは19日、私的整理の一種である事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)を申請し受理されたと発表した。ホテル事業などを手掛ける興和が20億円を出資し、ワタベが第三者割当増資で発行する新株を引き受ける。同時にワタベが既存の自社株式をすべて回収し興和に売却。一連の手続きを経て、6月末に興和はワタベを完全子会社とし、経営再建を主導する。

ワタベは1953年にワタベ衣裳店として創業。73年に米ハワイに出店し、海外挙式の火付け役となった。96年にワタベウェディングに名称変更し、97年にブライダル業界で初めて株式上場した。ホテルと婚礼の相乗効果を狙い、2004年には目黒雅叙園(東京・目黒)、08年にメルパルクを買収した。

業績が悪化したのは、新型コロナウイルスの影響で海外リゾート挙式が激減したためだ。売上高の約半分を占める海外リゾートはコロナ禍の渡航制限でほとんどが中止となった。国内の婚礼の多くもキャンセルや延期となり、20年12月期の連結最終損益は117億円の赤字となった。20年12月末時点で約8億円の債務超過に陥った。

再建に乗り出す興和は名古屋市に本社を置く非上場企業で、外用鎮痛消炎剤「バンテリン」や胃薬「キャベジン」をはじめとした医薬品事業を主力とする。ホテル事業も手掛けており、地元で老舗の「名古屋観光ホテル」を運営する。19年には米ハワイで高級ホテルを開業した。

20年3月期の連結売上高4225億円のうち、ホテル事業は132億円と3%程度にとどまるが、足元では「ホテルナゴヤキャッスル」の建て替えを進めるなど、事業を強化している。ワタベウェディングの子会社化を通じ、自社のホテル事業との相乗効果を狙う。

新型コロナの感染拡大でブライダル業界は苦戦している。政府による緊急事態宣言の発令で、多くの新郎新婦が結婚式の延期や中止を余儀なくされた。日本ブライダル文化振興協会(東京・中央)の推計によると、コロナ禍で20年度に結婚式を延期もしくは中止したカップルは約28万組。業界全体が受けた損失は9500億円にのぼる。

業界最大手のテイクアンドギヴ・ニーズも厳しい。20年4~12月期の取扱組数は、前年同期と比べて約6200組少ない2982組。政府による緊急事態宣言が発令された20年4~5月に、運営するすべての結婚式場を休業にしたことなどが響いている。もっとも同社によると「結婚式を中止する人は少なく、多くが延期している状況」という。

結婚情報誌「ゼクシィ」を発行するリクルートマーケティングパートナーズ(東京・品川)が実施した調査によると、結婚式の(予定数に対する)施行率は、20年4月は13.7%にとどまっていたものの、21年1月には81.5%まで上がっている。

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