南都銀、奈良県生駒市と遺贈寄付で提携

南都銀行は19日、相続人以外に故人の財産を残せる「遺贈寄付」について、奈良県生駒市と提携協定を結んだ。同行の遺言代用信託の仕組みを利用し、一定額を同市に寄付できる。遺言代用信託を活用した自治体への寄付商品の取り扱いは、関西の金融機関では初めて。
通常、法定相続人以外への遺贈信託には遺言書の作成が必要で多額の費用がかかる。南都銀の遺言代用信託を活用することで、遺言書をつくらずに簡単な手続きで100万円以上300万円以下の金銭を生駒市に寄付できる。生駒市では、同市に遺贈寄付を希望した人に対して南都銀を紹介する。
相続や資産継承に対する意識の変化を背景に、地域への遺贈のニーズは高まりつつあるが、手間や手続きが負担となり、実際に寄付に結びつくケースは少ない。生駒市では寄付者の思いを生前に確かめて市の施策に反映させる。南都銀では今後、他自治体とも同様の提携をめざす。生駒市では2019年9月にオリックス銀行の遺言代用信託を使った寄付申請を1件受け入れている。