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瀬戸内の手袋産業など結集、発信力強化 OEM依存脱却

ウエーブ香川

香川県東かがわ市の手袋産業など瀬戸内の地場産業が集まり、OEM(相手先ブランドによる生産)に依存するビジネスモデルからの脱却をはかっている。消費者との接点が薄く、発信力が弱い点を克服しようと共同組織を立ち上げた。情報交換や議論をしながら独自ブランドの開発を進め、合同で販売会を実施するなどしている。

地域住民に地場産業を知ってもらうため、合同で新作発表会を開催した(20年12月、香川県東かがわ市)

東かがわ市は130年の歴史をもつ手袋の産地で、多くの製造業が集積する。2020年に皮カバンメーカーや上履きの縫製企業など8社が集い、任意団体「セトウチメーカーズ」を立ち上げた。

代表を務めるのは、東かがわ市で刺しゅう業を営むタナベ刺繍(ししゅう)の田部智章社長。参画企業が定期的に集まり、現状や課題について話し合う。2月の会合では「ブランド」について意見交換し、自社企業の強みが何か議論した。

セトウチメーカーズに参加するのはOEMを中心としてきた製造業だ。新型コロナウイルス感染拡大の影響で外出を控える人が増え、発注元であるアパレルメーカーなどの業績が落ちこんだことから苦境に陥った。そこで一部の取引先に依存しすぎない経営へ切り替えていく必要性が高まり、独自ブランドを始める企業が増えている。

タナベ刺繍は新型コロナを機に「Re shin.(リシン)」を立ち上げた。クローゼットに眠っている衣類に刺しゅうすることで、再び着用してもらえるようにする。革カバン製造・販売のアーバン工芸(香川県東かがわ市)は、OEM製品より高価格帯の自社ブランド「TIDE(タイド)」の生産を進めている。

しかし、OEMを生業としてきたことから消費者との接点が薄く、企業としての発信力も弱い。そこで同じ課題を持つ企業が集って情報交換し、共同で販売会を実施できるような組織としてセトウチメーカーズを立ち上げた。

20年12月には合同で新作発表会を開催し、まず地元の人に商品を知ってもらうことから始めた。田部代表は「OEMが中心だったために、地元でも会社の名前は知ってるけど何をやっているか知らない人が多いのではないか。まず地域で大事にされる企業にならないといけない」と話す。

3月には東かがわ市の商店街にある空き店舗を利用して販売会を実施する。5月には高松三越(高松市)の催事場を使ってイベントを開催する予定だ。

地元で製品ユーザーが少ない背景には、過去に海外へと生産拠点を移す動きが進んだことがあるという。人件費上昇を背景に国内回帰が進んできたものの、消費者は首都圏などを中心としていることから、地元消費者との接点を築けずにいた。日本貿易振興機構(ジェトロ)香川貿易情報センターの20年度調査によると、香川県内企業が提携している海外拠点数は18年度調査から減少し139拠点となった。今後は地元との接点を増やしていくことが必要となる。

セトウチメーカーズには香川だけでなく徳島の製造業も参加しており、将来的には瀬戸内地域に位置する企業に広く参加してほしいと考える。販売会を開きながら各地を巡るような構想も練っている。(桜木浩己)

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