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Google流人事評価、町工場でも 社員の潜在能力引き出す

はたらく

米グーグルなどIT企業が用いる人事評価「OKR(Objectives and Key Results=目標と主要な結果)」を取りいれた町工場がある。社員約70人の金属部品メーカー、中農製作所(大阪府東大阪市)だ。高めの目標で意欲を引き出し、達成の可否でなくプロセスで評価するという。一体どんな手法なのか。

2021年4月期の導入にあたり、腐心したのが社員の目標設定だ。従来は会社が立てた年間の売上高・利益計画を、トップダウンで落とし込んでいた。だが社員には人ごとに感じられて身が入らない。そのためOKRでは、6つある部門ごとにボトムアップで考えさせた。

具体的な内容は、経営陣と各部門の間で何度もすりあわせた。変化の激しい時代に、その年の売上高・利益計画に縛られては意味がない。10年後に売上高を2倍にするという長期ビジョンに合わせて、3カ月ごとに見直すことにした。一方で、社員にとって分かりやすく、ワクワクできなければならない。

調達部門が掲げた目標は、外注先の「全国制覇」。将来の業容拡大に備え、工程の一部を委託できる先を全都道府県に最低1社見つけるというものだ。所属の7人が手分けして、各地の商工会議所に連絡。必要な加工技術を伝え、会員に照会してもらう。白地図を埋めていくような楽しさがあるという。

部品洗浄機「洗浄小町」の製造部門はPR動画を自作し、投稿サイトのユーチューブで1000回の再生を目指すことにした。所属4人のうち1人がベトナム人なので、たどたどしい大阪弁を生かしたコントを披露。本来の用途である金属部品のかわりにジャガイモを洗うなど、面白く伝えることに徹している。

これらの目標に共通するのは、あえて高い水準に設定することだ。「簡単でない方が頑張ろうという気持ちになるし、社員の成長につながる」と西島大輔社長。評価にあたっては、達成できたかどうかでなく、どう困難を乗り越え、部門の結束を高めたかなどプロセスで判断する。

西島社長がOKRに着目した背景には、町工場といえども発注元の指示通りに黙々と作るだけでは時代に取り残されるという危機感がある。「従来の枠を飛び越えるような発想が現場から出てきてほしい」と期待する。(高橋圭介)

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