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石川県予算、観光支援に力 GoTo後も北陸の宿泊客割引

観光産業の支援のため2000円の旅行割引券を配る(記者会見する谷本正憲知事、石川県庁)

石川県は新型コロナウイルス感染症で打撃を受けている観光業の支援に取り組む。政府の観光需要喚起策「Go To トラベル」終了後も、北陸3県の住民を対象にした宿泊割引事業を続ける。3大都市圏からの旅行者の減少を補い、旅館やホテルの利用者を増やす。移住の促進策や企業誘致も強化し、地域経済の活性化につなげる。

3月補正を含む2021年度予算案は新型コロナ対策の充実などで前年度比9%増の6490億円となり、19年ぶりに6000億円を超えた。一方、コロナにより県内企業が打撃を受けたことで、実質県税は1696億円と10%減少した。そのうち法人関係税は28%減となり、リーマン・ショックの影響があった10年度の減少率(21%減)を上回った。

「観光業界が非常に疲弊している。年間を通じて切れ目なく事業者を支援していくことが必要だ」。谷本正憲知事は16日の記者会見でこう話し、観光業を支える方針を強調した。Go To終了後の反動減を抑えることを目的に、北陸3県に住み石川県内に宿泊する人を対象に割引券を配る事業などに4億円をあてる。

旅行代金3000円以上で、1人2000円を割り引く。15万人の利用を想定している。「(近場で観光を楽しむ)マイクロツーリズムが主流になりつつある」(観光戦略推進部の担当者)ことに着目した。

近隣県と連携した需要開拓策も進める。長野県とは22年の善光寺(長野市)のご開帳にあわせ、両県への旅行を促すPRを展開する。福井県とは高速道路の周遊パンフレットを作成するなどマイカーの客を誘致する。

15年の国勢調査をもとにした石川県の集計によると、宿泊業と、旅行者の利用が多い飲食サービス業の就業者は全体の5.9%で、全国で8番目に高い。観光需要の喚起が県内の広い範囲に経済効果をもたらすと判断している。

新型コロナを契機に移住したい人や、オフィスの移転を検討する企業の誘致も積極化する。県外企業のサテライトオフィスの誘致では、これまで能登や白山麓といった過疎地などに限っていたが、県内全域に広げる。ソフトウエア開発やデザイン系の業種などを対象とし、新設の場合は最大で投資額の25%を補助する。

実際、東京都に本社を置く医薬品商社のイワキが珠洲市に本社機能を一部移転するなど、コロナをきっかけにリスク分散を進める動きがある。こうした需要を取り込み、県内各地の経済活性化につなげる。

20年に開館した国立工芸館ではワークショップなどを実施し、観光客を集める(金沢市)

県内企業がUIターンしたデジタル人材を採用する場合に、人件費の半分を補助する制度も新設する。移住体験の開催も従来比2倍の年間140件に増やす。オンラインで地域の教育施設や買い物先などの様子を配信。現地では農業や漁業といった仕事や、宿泊施設で暮らしを体験するツアーを実施する。

県のブランドイメージを支える歴史や文化の発信にも力を入れる。20年10月に開館した国立工芸館(金沢市)で工芸制作のワークショップや人間国宝の講演会を実施する。周辺の美術館なども巡るツアーも開催して、観光客や地元客に向けた魅力を発信する計画だ。(毛芝雄己)

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