GoTo一時停止、近畿の観光地落胆 対応に追われる

政府の観光需要喚起策「Go To トラベル」が年末年始、全国で一時停止されることになり、近畿の観光業者からは落胆の声が上がり、対応に追われた。
京都市の老舗旅館、松井本館では一時停止が決まった14日以降、宿泊キャンセルが30件ほど相次いだ。満室近かった1月1日から3日の予約状況も60~70%に。今後もキャンセルが増えそうだという。
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清水寺近くの高級ホテル「ザ・ホテル青龍 京都清水」では東京や大阪からの宿泊客が多く、感染が再拡大した11月下旬から低調に推移。マーケティング担当者は「年末年始にかけて稼働率を維持できるかどうか」と不安を口にする。
奈良市の老舗ホテル、奈良ホテルは今秋には前年同期比で90%ぐらいまで稼働率が回復していたが、15日朝までにネット予約では十数件のキャンセルがあった。「12月になって年配者を中心にキャンセルが増えていたが、まさか、この時期に中止になるとは」と担当者。1月1日から11日まで初詣を兼ねたバスツアーは計40件ほど予約が入っているが、「すべてキャンセルになるのではないかということで現在、業者に確認中」という。
和歌山県白浜町も年末年始は温泉客などが多いかき入れ時。同町のあるホテルでは14日から15日夕方にかけて約300人分のキャンセル対応に追われた。同ホテル関係者は「GoTo停止はやむをえないと思うが、決まるのがあまりに直近過ぎた」と声を落とす。今後については「(GoToに関係なく来てくれていた)リピーター客に声かけしていく」と話した。