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検査体制の拡充急ぐ 広島市で最大80万人にPCR

広島県は2月7日まで延長した新型コロナウイルスの集中対策の一環で、広島市8区のうち中心部の4区(中区、東区、南区、西区)の全住民や就業者を対象に無料のPCR検査を実施する。検査は任意で、対象は最大で80万人程度とみられる。自治体が広域で大規模PCR検査を行うのは全国でも珍しい。県は無症状の感染者を早期に発見し、市中感染の拡大を封じ込める狙いだ。

広島県は広島市の約80万人を対象に無料のPCR検査を始める(広島市西区のPCRセンター)

広島市では感染状況が高止まりしており、国から「緊急事態宣言に準じる地域」として近く指定される見通し。事業者や飲食店なども多く、人が密集している4区に感染者が多いことから大規模な検査を行う。湯崎英彦知事は「検査は強制ではなく任意だが、積極的に受けてほしい」としている。

県は具体的な実施方法や時期を今後詰めるが、検査能力の確保や実施体制が課題となる。広島県では昨年12月5日、広島市中区の流川地区に最初のPCRセンターを立ち上げた。同月中旬には西区にドライブスルー形式のセンターをもう1カ所設立。医療関係者や飲食店の従業員などを対象に、いずれも唾液による検体採取をしている。開設から1月5日までに合計で1万1500人の検体を採った。

市内にある2つのセンターでは1日あたり合計で最大900人程度の検体採取ができる。市民向けの大規模検査の開始に向け、県は市内の両センターを活用することを軸に検討する。ドライブスルー形式のセンターでは現在2つのラインで稼働しており、同敷地内での体制拡充で対応するもよう。検体採取のキットを薬局などで受け渡すといった案も出ているようだ。

県外の民間検査機関を含めて、広島県が確保している検査能力は1日最大5300件。80万人の対象者を検査するにはかなり時間がかかることが予想される。加えて、大規模な検査の結果、無症状の感染者がこれから多数見つかる可能性もある。宿泊療養施設の確保など受け入れ体制の整備も急務となっている。

広島県では現在、軽症者や無症状患者向けの宿泊療養施設を819室確保している。14日時点での占有率は3割ほど。80万人のうち何割が検査を希望し、陽性率はどれくらいになりそうなのかといった試算を県は進める方針で、必要に応じて新たなホテルの確保にも動こうと準備をしているようだ。検査の実効性とあわせてバランスをとる必要に迫られている。(田口翔一朗)

広島市の人口10万人あたりの1週間の新規陽性者数は15日に17.8人となり、ピークだった昨年12月26日(44.2人)からは落ち着いてきた。飲食店への時短要請など広島県の集中対策により、2月1日以降には同基準で安定的に15人未満に抑えたいという。
市が今月7日から13日までに確認された新規感染者の推定感染経路を調べたところ、「家庭内」が55%で最多だった。年末年始の帰省などで感染が広がり、その無症状感染者が職場などでさらに広げかねないとみている。「再び感染の急拡大が起こる可能性があり、予断を許さない状況が続いている」(担当者)として感染予防や外出減の徹底を求めた。
広島市の松井一実市長
広島市の松井一実市長は15日、県が集中対策期間を2月7日まで延ばしたことを受け「一人一人の心がけ次第で、(新型コロナによる)社会経済活動への悪影響が長期化するかどうか、せめぎあいの状況にある。接触機会の削減を決意し、実行する期間としてもらいたい」と述べた。
市は昨年12月、年末年始に休業する市内の飲食店に15万円の応援金を独自で支給すると発表。県の時短要請の延長を受けた追加の支援策については、業界などの要望に応じて検討していくという。

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