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Go To一時停止、中国5県の観光地でも困惑広がる

政府が観光需要喚起策「Go To トラベル」事業を全国一斉で一時停止する方針を発表したことを受け、中国地方の観光地では困惑が広がっている。停止期間は12月28日から来年1月11日までで、年末年始の需要増を想定していた宿泊施設などにとっては大きな痛手になりそうだ。感染拡大防止と経済を両立させる難しさが改めて浮き彫りになっている。

「Go To トラベル」事業の一時停止で、湯田温泉では年末年始の宿泊予約をキャンセルする動きが出始めた(山口市)

「途方に暮れている。せっかく国内の誘客が軌道に乗ってきたのに」――。宮島(広島県廿日市市)で書道や茶道体験を手掛けるおけいこジャパン(同)の橋口栄社長は肩を落とす。インバウンドの予約がゼロになってからは国内プロモーションを強化し、11月は約100組を案内するなど前年同月と同水準まで戻していた。

地域共通クーポンの利用で県外客も増えるなど「トラベル」事業の恩恵もあった。それだけに、「年末年始は期待していたが、自粛ムードで近隣県の客も来なくなるかもしれない」(橋口社長)。

政府が「トラベル」事業の一時停止を発表した14日夕方以降、山口市の湯田温泉にある旅館「西の雅 常盤」では宿泊のキャンセルが相次いだ。年末年始の予約のうち135室分でキャンセルの連絡があり、減収額は800万円以上になる。宮川和也社長は「年末年始はトラベル事業のおかげでほぼ満室だったが、一挙に厳しい状況になった」と落胆する。

宿泊施設だけでなく、観光施設も対応に追われている。原爆ドームを見下ろせる展望台を備えた複合施設「おりづるタワー」(広島市)では、19日から来年1月3日までを臨時休館すると発表。9月末からは土日と祝日のみの営業をしていたが、年末年始での県外客の来館も見込みづらくなった。

鳥取砂丘の砂像展示施設「砂の美術館」(鳥取市)でも客数減少への懸念が広がる。11月の利用客は前年同月比で6割程度まで回復。下沢武志副館長は「バスツアーを中心に利用客が戻っていたが年末年始は減るだろう。現実を粛々と受け止めるしかない」と話した。

各県の知事からは、政府の決断を歓迎する声が目立った。岡山県の伊原木隆太知事は「数週間前からアクセルは一旦足を離してもいいのではないかと言ってきた。大変勇気のある決定で歓迎したい」と述べた。その上で「観光関連事業者の支援に向け、トラベル事業とは別の形でしっかり考えていかなければいけない」と強調した。

鳥取県の平井伸治知事は「感染拡大を抑えるための措置でやむを得ない」とのコメントを発表。観光事業者などの実情を調査し、県民限定で県内の観光を促進する施策などを講じる考えを示した。

中国5県の中でもコロナの感染再拡大が最も深刻なのは広島県。全国一斉の一時停止に先駆けて、県は広島市発着分を「トラベル事業」の対象から外すことを求めて政府と調整をしている。

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