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四国地銀、進む脱自前主義 百十四銀はフリーと提携

四国の地方銀行が外部との連携を広げ、自前主義からの脱却を進めている。15日には香川を地盤とする百十四銀行がクラウド会計ソフトのフリーと業務提携し、フリーのソフトなどを使った新たなサービスの提供を始めると発表した。背景には、少子高齢化と人口減が進む地方においてデジタル分野や事業承継など地銀に求められるサービスが多様かつ専門的なものになっていることがある。

百十四銀とフリーは15日、合同で記者会見を開いた。百十四銀の地盤である香川県内の中小企業の生産性を向上させるため、取引先の財務データを銀行とリアルタイムで共有できる会計ソフト「会計フリー with 114BANK」など3つのサービスの提供を始める。

新たに始めるICT(情報通信技術)コンサルティングサービスでは百十四銀の本部行員が取引先を訪問する際、フリーの社員もオンラインで参加し、会計ソフトなどICTを活用した課題解決方法を提案する。営業店の行員も同行して知見を共有する。将来的には営業店の行員が同様のコンサルティングを担えるよう、人材育成を進めていく。

百十四銀の西川隆治取締役専務執行役員は「事業承継など、これまで手掛けてきたコンサルティングは一部の企業が対象だった。フリーのソリューションは県内企業の大半が対象になる」と話す。5年で1000~1500社への会計ソフト提供をめざす。

デジタル分野での連携は他行でも進む。阿波銀行はフィンテックベンチャーのエメラダ(東京・港)と連携し、すべての営業店で取引先の資金繰り管理を支援するサービスの取り扱いを始めた。複数の金融機関口座にある取引先の資金の動きを一元的に管理し、リアルタイムで把握できるようにする。企業は会計事務の簡素化につながり、阿波銀は取引先の経営課題を素早く認識し迅速な融資提案につなげることができる。

伊予銀行もデジタル分野を中心に外部連携を強化している。システム開発のインテックからデータサイエンティストを講師として招き、銀行員のデータ活用や企画開発スキルを向上させるための講習を実施している。

愛媛銀行は他業種と組むことでコンサルティング事業を強化する。連携数は公表したものだけでも約200にのぼり、山口フィナンシャルグループ(FG)や、楽天子会社の楽天農業(愛媛県大洲市)など業種も幅広い。金融機関として低金利の中でも収益を上げられるようにしていく狙いもある。

少子高齢化と人口減が進む地方では事業承継の需要が増している。トモニホールディングス(HD)傘下の徳島大正銀行は、さわかみ投信系のYamatoさわかみ事業承継機構(YSK、東京・千代田)と業務提携し、後継者不在を課題とする取引先企業を共同で経営支援する取り組みを始めた。YSKは支援先の株式を永久保有して第三者への転売はしない契約とするなど、経営者の不安を解消する仕組みにしている。

利ざやで稼ぐ従来のビジネスモデルが厳しさを増し、地銀に求められる役割は変わりつつある。求められるサービスが高度化する中で、今後どのような企業と連携していくのかも、地域金融機関の総合力を左右する。

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