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香川のオリーブ、新品種でブランド強化 初の登録出願

オリーブ新品種の苗木を軽トラックの荷台に積み込んだ(16日、高松市)

香川県が特産品であるオリーブのブランド力強化を進めている。病気に強く風味に特徴のある新しい品種を開発し、農家への苗木提供を始めた。オリーブの新品種が登録出願されたのは日本で初めて。独自品種の導入で生産を安定させ、製品力の向上にもつなげたい考えだ。

16日、オリーブの新品種「香オリ3号」と「香オリ5号」の苗木の生産農家への提供が始まった。計770本の苗木を法人など18者に供給し、栽培面積は2.6haを想定している。来年度も同程度の苗木を提供する計画で、2025年から果実を収穫できる見込みだ。苗木を受け取ったアライオリーブ(香川県小豆島町)の荒井信景さんは「育ててみないと分からないが、生産がうまくいくようなら、新しく植える苗木は新品種に切り替えていく可能性もある」と話す。

香オリ3号は果実が大きく新漬けにも適する品種=香川県提供

県は1951~65年にオリーブの交配から得た3383個体について2012年から本格的な選抜を再開。病気への耐性や実の大きさ、オイルにした際の風味などから判断し、2品種を決めた。オリーブはオイルや新漬けへの加工が前提となるため、品種の選抜に時間を要したという。

両品種ともオリーブの実や葉にカビが生えてしまう炭疽(たんそ)病に強く、香オリ3号は新漬け、オイルに兼用できる。香オリ5号はオイル専用品種で、国産オリーブオイルに特徴的なまろやかな風味とは異なり、辛みと苦みの強さが特徴となっている。

香川の気候はオリーブ栽培が盛んな地中海地域のように気温は適しているものの、夏や収穫期となる秋に降水量が多いことから生産量に影響が出やすい。香川のオリーブ栽培で7割を占めるミッション種は病気に弱い。新品種の導入により天候リスクを軽減したい考えだ。

香川はオリーブの収穫量が全国シェア9割を超えているため、オリーブ産地として高い知名度を保っている。一方で他県もここ10年ほどで栽培面積を広げている。農林水産省の平成29年産特産果樹生産動態等調査によると香川のオリーブ栽培面積は全国の5割弱となっており、静岡や熊本などで面積が広がりつつある。耕作放棄地の有効活用策としてオリーブ栽培が推進されてきた経緯がある。

数年後に収穫期を迎えれば、収穫量でも他県がシェアを拡大する可能性がある。香川は面積が全国で最も小さく新規の農地も限られている中で、栽培面積を大きく広げることは難しい。病気に強い品種の導入で面積あたりの収穫量を伸ばし、産地としてのブランド力を強化していく。県担当者は「品種の多様性は生産、販売の両面で強みになる」と話す。

販売面では県独自の品種であることをPRする。香オリ3号や香オリ5号と認識できるようなパッケージで提供できるよう検討していく。現在21~25年度の「かがわオリーブ産業強化戦略」の策定を進めており、オリーブ産業振興の方向性を示していきたい考えだ。

(桜木浩己)

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