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「農福連携」で就労の場を パンドラファームグループ

はたらく

パンドラファームグループ(奈良県五條市)のビ二ールハウスで菊菜の収穫をする山村聡さん(仮名、右)

農業生産者による共同出資会社のパンドラファームグループ(奈良県五條市)は、障害のある人が農業現場で働く「農福連携」に取り組んでいる。働くことに困難を抱えた引きこもりやニートと呼ばれる人たちの農業就労も進めている。農福連携の窓口となり、支援の要となるのが「ジョブコーチ」といわれる存在だ。

「仕事はどう? なにか困り事はないの」。ジョブコーチの上野由香さんが声をかける。小林治さん(仮名)の仕事は、コンテナと呼ばれる収穫野菜を詰める容器の清掃作業。抽象的な指示を理解することが得意ではないが、働き始めて4年、自分のペースで黙々と作業をこなしていく。

ジョブコーチは国が設ける制度で、障害者本人と仕事現場の仲介役だ。一人ひとりの適性を踏まえた助言をすることで仕事の定着を支援する。上野さんは入社前、和歌山県で就労困難な若者の支援機関「地域若者サポートステーション」に勤めていた。その時、痛感したのは、支援する若者に働く力がついても受け入れてくれる企業が見つからないこと。「支援の『出口』がなかった」。そんな中、農福連携の窓口になってほしいと入社を誘われた。 

ジョブコーチの資格は入社後に取得した。「どの現場にも障害者と関わるキーパーソンがおり、困り事が起きた時、一人で抱え込まないように相談を受けるのが私の役割」と上野さん。

同社では障害者手帳を持つ6人のほか、引きこもりやニートの経験のある2人が働く。山村聡さん(仮名)は高校を卒業後、地元の工場で働き始めたが、人間関係になじめず退職。ニート状態が5年以上も続いていたところ、上野さんの紹介で6年前に入社した。

週5日、農作業に従事。野菜栽培、柿や梅の選果、加工、出荷まで幅広い仕事があるため、自分に合う居場所が見つけやすい。山村さんは「自分ができる仕事を選んでくれる」と農業の楽しさを感じ始めている。

同社は2月に障害者雇用で優れた中小企業を国が認定する「もにす」認定に選ばれた。関西では大阪や京都で5事業者が認定を受けているが奈良県で初めて。農福連携に取り組む農業法人などは現在、関西で100以上。同社の和田宗隆社長は「人口減少が進む地域では多様な人が多様な働き方で支えていく仕組みをつくらないと成り立たない」と話している。(岡本憲明)

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