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建設現場の鉄筋結束作業、ロボで省人化 建ロボテック

スタートアップの建ロボテック(香川県三木町)が、建設工事の省人化に向けロボット開発を進めている。コンクリートを打つ前に建物の骨組みである鉄筋同士を針金で固定する「鉄筋結束」作業を自動化。単純作業を効率化し、人手を高度な技術が必要な業務に集中させることで、現場の生産性向上につなげる考えだ。

建ロボテックは、鉄筋結束工事を手掛ける都島興業(香川県さぬき市)の真部達也社長が2013年に立ち上げた。「鉄筋結束」作業を自動化する「トモロボ」は、20年に販売を開始。ゼネコンなどに提供し、現在は約30台が全国で稼働している。4月には土木・インフラ工事にも対応できるよう、太い針金で結束できる機種の販売を始める計画だ。

鉄筋工事業者は組合に参加している企業だけで全国に約1300社ある。鉄筋コンクリート造は、コンクリートの中に交差した鉄筋を組み込むことで強度を保っている。鉄筋結束は鉄筋を固定し、設計通りに鉄筋を配置することで強度を得られるようにするためのもので、建設工事には不可欠。しかし、腰をかがめて屋外で進めなければならないため、特に夏や冬は過酷になる。

現場で鉄筋を組んでいた経験もある真部社長は技術研究を進めトモロボを開発した。建設現場でも自律走行し、鉄筋の交点をセンサーで検知して1カ所あたり3秒弱で結束する。結束数を変えることも可能。人と同じ現場で作動させるため、近づきすぎると自動で停止する仕様にした。他社製の鉄筋結束機をセッティングする設計にすることでコストを抑え、1台あたり200万円台で販売している。

トモロボの開発を始めた背景には、建設業における若年就業者が少ないことへの危機感がある。国土交通省の「建設業および建設工事従事者の現状」によると、16年時点で建設業就業者のうち30歳未満が占める割合は11%にとどまり、60歳以上が24%を占める。30歳未満の就業者数は全産業の16%と比べても低い水準にある。

真部社長によるとトモロボ導入により4割弱省力化することができ、他の高い技術を必要とする作業に人手を回すことができる。付加価値の高い仕事を手掛けることができれば所得水準も向上し、業界全体として若年就業者を引き付けることができると考える。

建ロボテックは従量課金制によるビジネスモデルを構想している。鉄筋工事は平均して建築期間全体の15%ほどで、企業が所有しても稼働率は低い。同社が必要に応じてトモロボとオペレーターを派遣し、結束数に応じた取引にできないか模索する。トモロボをネットにつながる「IoT」機器として管理し、稼働状況を把握できるウェブシステムの構築を進めている。

真部社長はゼネコンや設計、施工会社など建設に携わる企業が参加する研究会の発足をめざしている。現場作業を効率化するためには、あらかじめロボットを導入できる設計にしなければ機能しにくい。21年は専門事業者に設立へ向けた声かけをする。ロボット導入は現場の仕事を奪ってしまう懸念もあるが、「付加価値のある仕事をしないと生き残れない。業界を残すために壊したい」(同社長)と話す。

(桜木浩己)

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