日医工に業務停止命令、相次ぐ自主回収で
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後発薬最大手の日医工で医薬品の自主回収が相次いだ問題で、富山県は3日、医薬品医療機器法に基づき、同社に業務停止命令を出したと発表した。5日から、主力の富山第一工場(富山県滑川市)での32日間の医薬品製造の停止と、24日間の医薬品製造販売業としての業務停止を命じた。現時点で健康被害の報告はないというが、品質管理体制に重大な問題があったとみて処分に踏み切る。
同社は2020年4月から21年1月にかけ、国の承認を得ていない工程があったなどとして、富山第一工場で生産する75品目の医薬品を自主回収した。業務停止の期間中、同工場での医薬品製造などができなくなる。同工場は受託製造を手掛けており、生産が止まることで他社の医薬品調達にも影響が及ぶ可能性もある。
行政処分を受け、3日にオンライン記者会見を開いた日医工の田村友一社長は「大変申し訳なく思っている。業容が拡大するなか、現場に無理をさせすぎた」と話した。責任の所在を明確化するため、自らの月額報酬を3カ月、100%減俸する。
2月には同じく後発薬メーカーの小林化工(福井県あわら市)で皮膚病用飲み薬に睡眠導入剤成分が混入した問題で、福井県から116日間の業務停止命令を受けたばかり。後発薬への信頼を揺るがす事態となっている。
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