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オリックス、「中嶋色」で四半世紀ぶり優勝めざす

前の年に覇権を逃したチームが「今年こそは」と決意を新たにする年頭。直近のリーグ優勝が1996年と、ブランクが12球団で最長のオリックスは特にその思いが強い。昨季途中で監督代行に就き、チーム状態を上向かせた中嶋聡監督が初めて開幕から指揮を執る今季。その手腕へのファンの期待は大きい。

就任が決まり福良淳一ゼネラルマネジャー(左)と握手する中嶋監督(2020年11月)=共同

「不安しかない」。2020年8月21日、チームが16勝33敗4分けの最下位に沈む責任を取って退任した西村徳文前監督に代わり、2軍監督から転じた中嶋監督代行は、急きょ窮地のチームの指揮を任された心情を包み隠さず語った。

ただ、言葉とは裏腹に用兵では大胆さをのぞかせた。「一緒に行くぞ」と2軍から昇格させた大城滉二と杉本裕太郎を即スタメンで起用。好調な選手にあまねく出番を与えるシンプルでフェアな姿勢はナインの奮起を促し、代行就任の21日から西武に3連勝。この間、1軍の打率は1割台ながら2軍での活躍から中川圭太を4番に抜てきしたり、将来のストッパー候補と見込む漆原大晟を重要なセーブ機会で1軍初登板させたりと、信念の起用も注目を集めた。

山崎福也の登板時しか先発マスクをかぶってこなかった伏見寅威をあらゆる投手と組ませたのは、中嶋色の最たるものだった。「新しい風というか、新しいことをしたいと」。実に29年間、捕手として現役生活を送った目には、若月健矢から主戦捕手の座を一旦取り上げ、伏見らの経験値を上げつつ一から捕手陣を競わせることが、チームの防御力向上への近道と映った。

中嶋監督代行とともに1軍担当に転じた辻竜太郎打撃コーチや、シーズン途中に支配下登録された新人の大下誠一郎が派手なアクションや大きな声でつくる明るさは、8月中旬までのベンチにはなかったもの。それこそ新風が吹き込んだようなムードに、旬の選手を遊ばせておかない鮮度重視の起用が絡み、中嶋監督代行が指揮した67試合は29勝35敗3分けの勝率4割5分3厘。最下位からの脱出こそかなわなかったものの、西村氏が監督時の3割2分7厘を大きく上回る勝率をマークした。

今季を迎えるにあたり、チームは各コーチの肩書から「1軍」「2軍」の名を外した。「コーチ間の上下関係をなくし、全コーチがフラットな立場、視点で選手教育にあたる方針を具現化した」と森川秀樹球団本部長。1、2軍をくまなく見渡し、旬の選手を公平に使う中嶋監督の姿勢に通じる。フラットな組織の構築は、2軍を含めチーム全体が「今年こそは」の思いを共有し続ける上で有効な手立てになりそうだ。

(合六謙二)

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