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阪神、佐藤輝加入で漂う緊迫感 外野の定位置争い激化

佐藤輝は26日に行われたヤクルトとの開幕戦の2回、先制の左犠飛を放ちプロ初打点を挙げた(神宮)=共同

一人の大物新人の加入が、チームの空気をガラリと変えることがある。佐藤輝明(22)が入団した阪神が、まさにその状態だ。26日のヤクルトとの開幕戦はその佐藤輝のプロ初打点となる先制犠飛などで白星スタート。ゴールデンルーキーの加入で生まれた緊迫感を保って、16年ぶりの優勝へ突っ走るか。

新人の力はチーム内のライバルが一番よく知っている。これまでの佐藤輝の打撃を見て、阪神の打者たちの様子が違ってきた。とりわけ、外野の一角をこの大物新人と争う陽川尚将、高山俊、糸井嘉男らは生き残りを懸けた争いに身を引き締めた。

「競争」をよく口にする矢野燿大監督にとって、この緊迫感こそ望むところだ。入団時の佐藤輝は近大時代になじんだ三塁を希望したようだ。だが、チームの方針は4番三塁・大山悠輔でほぼ固まっている。佐藤輝も、ライバルたちも「外野戦争」に参戦せざるを得ない。

陽川は昨季終盤、5、6番で先発起用され、外野のレギュラーに手が届いていた。金本知憲前監督も買っていた実力派だが、ドラフトで佐藤輝を引き当て状況は一変。だからと言って陽川がくじを恨むようでは、外野、一塁の控えのままで終わる。

高山は2016年の新人王。順調にいけば外野の一角を占めていただろう。だが、器用な打撃が裏目に出て、威圧感に乏しい打者と見られるようになった。3年後に入団の近本光司との競争に後れをとり、今また目の前に佐藤輝が立ちはだかる。状況の厳しさに加えて、オープン戦での自身の不調で開幕1軍メンバーから外れた。ほどなく28歳の6年目。レギュラーの座へ挑戦する最後の時期にさしかかっている。

糸井は7月に40歳になる。藤川球児が引退、福留孝介、能見篤史が移籍し、チーム最年長になった。佐藤輝は近大の後輩。この2人が世代交代の象徴的存在になっている。糸井にひざの古傷がなければ、世代交代など笑い飛ばすだろう。すべては故障の回復にかかる。

新外国人が絡む競争もある。韓国KTからメル・ロハス・ジュニア外野手が入団した。昨季の本塁打、打点の2冠王でMVP。新型コロナウイルス禍でまだ来日できていないが、チームに合流すれば左翼、打順は大山の前か後ろに並ぶとみられる。

中堅手の近本は戦略上欠かせない快足1番打者。佐藤輝が右翼に入ると外野に空席はない。昨季左翼だったジェリー・サンズは一塁も守れるよう準備してきており、そうなれば昨季終盤に一塁を守ったジェフリー・マルテとの厳しい競争が待ち受ける。

競争がいい形で機能すると大きな戦力が生まれる。だが、脱落しそうな選手のモチベーション低下という危険もはらむ。その辺りの駒の扱いこそ、監督の腕の見せどころだ。

(スポーツライター 浜田 昭八)

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