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伝統の一戦、もがく阪神 「打倒巨人」の闘志を再び

阪神は無観客で行われた巨人との開幕シリーズで3連敗とつまずいた(2020年6月)=共同

巨神戦といえば冠に「伝統の」がつく黄金カード。だが、阪神側から見れば、近年は少し色あせた対戦になっている。黄金の輝きを取り戻す手段が、阪神にあるのだろうか。

2020年の阪神はセ・リーグ2位だったが、優勝した巨人に7.5ゲームの大差をつけられた。3カ月遅れで開幕した「コロナ特例日程」は過密だったので、大負けの印象は倍加した。

開幕が敵地、東京ドームでの巨人3連戦。これに3連敗したのが響いた。3連戦で勝ち越しは1度だけで、対戦成績は8勝16敗。他4チーム全部に勝ち越したのに、巨人には9年連続でカード負け越しだ。

どこと対戦しても1勝は1勝。難敵に対しては戦力消耗を避け、カモから白星を稼ぐのが得策との考え方もあるが、ファンは納得しない。巨人に勝ってこそ阪神というファンは多い。

その昔は甲子園も巨人戦でしか満員にならなかったが、最近は様子が変わった。左翼スタンドに6ブロックある「ビジター専用応援席」で使われるのは、広島戦6に対し巨人戦は5ブロック。負けが重なると、黄金カードの価値は落ちていく。

なんとしてでも強い巨人に勝ち、黄金カードの価値を保たねばならない。なぜ分が悪いのか。毎年、苦手投手をつくっている。程度問題だが、菅野智之に苦しむのは相手が一枚上と認めざるを得ない。だが、選手個人に「どこに勝っても、誰を打っても同じ」と思っているのではないかと見えることがある。

巨人戦、とりわけ長嶋茂雄、王貞治との対戦に闘志を燃やした村山実、江夏豊を懐かしむファンは今でも多い。現役勢は強い巨人に対して萎縮してはいない。ただ、大舞台に弱い印象を残さぬように、無難にプレーするタイプの選手が多い感じだ。

「自分たちの野球をすればいい」という声をよく聞く。では阪神の「自分たちの……」はどんなものか。選手のキャラクターにもよるが、「巨人を倒す」という熱い心意気よりも、冷めた姿勢が格好よく、効果も上がると考えているのだろうか。

その冷めた姿勢を、新戦力が刺激する。ドラフト1位の佐藤輝明の加入は力をつけた大山悠輔や、目覚めかけた陽川尚将ら中堅勢を強く刺激するだろう。

元巨人・川相昌弘キャンプ臨時コーチに注目したい。遊撃守備、バントの名手だった。糸原健斗や木浪聖也が技術とともに学ばねばならないのは、そのしぶとさとゲーム展開を読むことではないか。球団はなりふり構わずライバルのOBにサポートを求めた。選手もなりふり構わず臨まねばなるまい。=敬称略

(スポーツライター 浜田昭八)

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