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望郷の演歌、ぬくもりの歌声で(音楽評)

三山ひろしコンサート

三山の明るい「ビタミンボイス」には望郷演歌が似合う

2009年にデビューしてNHK紅白歌合戦に6年連続で出場し、〝けん玉演歌歌手〟としてお茶の間にも知られた三山ひろしが4月18日、神戸国際会館こくさいホールでコンサートを催した。

コンサートは、昨年のヒット曲「北のおんな町」でスタート。続けて三山の出身地である高知県をテーマにした「いごっそ魂」「四万十川」を郷土愛をこめて歌いあげた。

三山のキャッチフレーズは〝心に響くビタミンボイス〟。その明るく温(ぬく)もりのある歌声が聴く人に安心感と生きる活力を与えることからつけられた。

カバー曲も含めてあらゆるジャンルの曲を歌える実力派の三山だが、そのよく伸びる高音は昭和を感じさせる土の香りがする望郷演歌がよく似合うと感じた。最新シングル曲「谺―こだま」も都会暮らしをする人が故郷に思いを馳(は)せる少しせつない望郷演歌だが、三山が歌えば決して暗くならない。むしろ故郷を思い心に留(とど)めることで故郷からパワーをもらえる前向きな曲にも聴こえる。声のトーンが明るいこともあろう。曲間のトークも達者で会場を沸かせており、もうひとつのキャッチフレーズ〝笑顔配達人〟を実感した。

近年、三山のコンサートの目玉的なコーナーになっているのが長編歌謡浪曲。浪曲師出身の三波春夫が浪曲と歌謡曲を融合させたのが長編歌謡浪曲。もとより大先輩として三波春夫を敬愛してきた三山は、アルバムの中の一曲として三波の長編歌謡浪曲を取り上げてきた。今回の演目は「元禄・男の友情 立花左近」。講談師の宝井琴鶴が演目のくだりを話したあと演じた三山。声の張り具合や節回し、所作などに、三波春夫を手本に研究したのが窺(うかが)えた。

(音楽評論家 石井 誠)

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