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国際的スター育む熱 地主薫バレエ団「ミックス・プロ」

圧巻の輝きを放った金子扶生=尾鼻 文雄撮影(OfficeObana)

今年5月、英国ロイヤルバレエ団のプリンシパル(ダンサーの最高位)に大阪出身の金子扶生が昇格した。日本人の国際的な活躍は、いまやバレエ界では珍しいことではない。ただ、留学を経てプロとなるケースが多いなか、彼女は海外のバレエ学校で学ぶことなく、ロイヤルバレエからスカウトされ英国に渡った。 

彼女が国際級の実力を培ったのが9日、フェスティバルホール(大阪市)で「ミックス・プロ」公演を行った地主薫バレエ団。金子は第2部で『眠れる森の美女』のローズ・アダージォを踊った。音楽を紡ぐような優美な動きには磨きがかかり、オーラという言葉が平易に思えるほどの圧倒的な存在感と輝きを放っていた。

第1部は、金子自身も新人時代に主演した『ドン・キホーテ』の圧縮版。後輩、徳彩也子が堂々と主役キトリを演じきった。

第2部冒頭の『ワルプルギスの夜』は、アクロバティックな技がふんだんに盛り込まれたロシア・バレエの名作。6年前、ロシアから指導者を招き上演して以来の再演となった。シャーマン役の奥村唯は大技に臆することなく躍動感溢(あふ)れる演技を披露した。

ラストの『魔法の筥(はこ)』は少女と少年の夢。舞台上の大きな箱が開き、ファンタジーの世界が広がる。ロシア人振付家セミョーノフに委嘱したオリジナル作品。10年ぶりの再演だが、全く色褪(あ)せてはいない。レスピーギやロッシーニの音楽使いも、カラフルな舞台美術もセンス良く見応えがある。ハーレキン役の末原雅広がチャーミング。将軍役の奥村康祐とのコミカルな掛け合いも楽しめた。

全く異なるタイプの4作品を高いレベルで一挙上演。その熱量こそが国際的スターを生み出す土壌であると確信させた。

(舞踊評論家 桜井 多佳子)

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