西川きよし 私の履歴書(29)文化功労者
漫才師
[有料会員限定]
「おい、少しつないでこい」
演芸場で何かトラブルが生じて高座に穴が空きそうなとき、若い漫才師はこう頼まれたものだ。寄席の世界で漫才は古くから「つなぎの芸」とみられてきた。
よく言えば漫才は融通が利く。演じる時間の長短を調節しつつ、次の出演者の出番まで客席が冷めないよう時間を稼ぐのに向いている。この特長を生かせたのが、ラジオやテレビの世界だ。草創期の放送界は、ぶっつけ本番の生放送が主流だったから、...

西川きよしさんは来年芸歴60年を迎える漫才師です。天才といわれた横山やすしさんとコンビを組んだ「やす・きよ」は漫才界に革命をもたらし、お茶の間を爆笑の渦に巻き込みました。やがて参院選に出馬して当選すると、お笑いと政治の二足のわらじで活躍します。「小さなことからコツコツと」の精神で歩んできたお笑い界のレジェンド。笑いあり涙ありの波乱の物語です。