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おにぎりロボット、1個30秒で手渡し(古今東西万博考)

1990年・大阪鶴見

花博で人気を博したおにぎりロボット。左奥に見えるのが連続炊飯装置(大阪ガス提供)

1990年、大阪・鶴見緑地で開かれた国際花と緑の博覧会のガスパビリオン(日本ガス協会)で好評を博したのが「おにぎりロボット」だ。大阪ガスとコベルコ科研、神鋼テクノが共同で開発製作。約30秒に1個、両手でおにぎりをにぎって手渡してくれるユーモラスな姿が子供たちの人気を集め、週末や休日は待ち時間が平均40分以上の行列ができた。ロボットの心臓部ともいえるのが「連続炊飯装置」だった。

耐熱ガラス製の透明な円筒状の釜の下部から浸水させたコメをピストンで供給し、釜を囲む環状のガスバーナーで加熱。炊き上げたごはんを上部からところてん式に押し出し、おにぎり1個分ずつロボットへ供給するユニークな仕組みだ。ガスで炊くごはんのおいしさをPRするのとともに、ごはんが炊き上がる過程を視覚で楽しんでもらうのが狙いだった。

「水と火の微妙な加減に苦心した。コメにかかる圧が強いとおかゆになってしまう。試作を繰り返した」。大阪ガス商品開発部の技術者として開発に携わった京都リサーチパーク(京都市)の榎本有・営業技術部長は振り返る。

ロボットは会期中に20万個を超すおにぎりを提供。翌年、大阪府吹田市にオープンした同社ショールーム「生活誕生館DILIPA」に移設され、2006年に引退するまで人気者だった。

大阪ガスは連続炊飯の技術を発展応用できないか検討したが維持管理が難しく、通常の釜で炊く方が合理的で、製品化には至らなかった。ただ「ごはんが炊き上がる過程を子供たちに見せる」工夫は食育の現場が継承。のぞき窓の付いた鍋を使う炊飯が同社の出張授業などで広く実施されている。

(編集委員 竹内義治)

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