追悼の演奏いまも アンサンブル神戸の四半世紀
阪神大震災機に室内楽団設立、記憶風化させぬとの思い胸に 矢野正浩
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1995年1月、神戸市は阪神大震災によって甚大な被害を受けた。フルート奏者の私は市内のあちこちに建てられた仮設住宅に一つ一つ足を運び、慰問コンサートを催した。それをきっかけに室内楽団「アンサンブル神戸」を設立して今年で26年になる。
生まれは神戸市長田区の駒ケ林。古い木造民家が密集する地域で、いつもあたりには近所のソース工場のタマネギの匂いが漂っていた。両親の反対を押し切って音楽の道に進み、10...