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片山九郎右衛門、新作能でクラウドファンディング

観世流能楽師の片山九郎右衛門が新作能「媽祖(まそ)」の上演に向けクラウドファンディングを始めた。東アジア一帯で広く信仰される道教の女神である媽祖を題材に小説家の玉岡かおるが原作・台本を手掛ける。目標額1100万円を達成すれば来年4月に上演する。

新作は奈良時代が舞台。実際に信仰されている媽祖は10世紀中国に実在した人物がモデルとなっているが、今回は九郎右衛門と共有したイメージを基に玉岡が新たに創作した物語だ。

生まれてから一言も声をあげず「黙娘(もくじょう)」と名付けられた娘。成長し、菩薩(ぼさつ)の心に通じる母の愛を悟ると、嵐や大雨などの予言を発するようになり多くの民を救う。一方、大仏の開眼供養を終えた称徳天皇は国家の安定を願い、観音の慈悲を広げようと諸国にお経を収めた木製の小塔「百万塔」を配ろうとする。その勅使となって筑紫へ向かう大伴家持の航海を黙娘(媽祖)が導いていくのだった――。

「慈愛の心を世界に広げ、平和の祈りをささげたい。そうした思いを込めた」と玉岡。「コロナ禍以降、世界の交流が止まってしまった。誰かと出会いたい、気持ちを運びたい。人々が心を通わせられるものをと考えた時、国を超えて多くの人に親しまれる媽祖が降ってきた」(九郎右衛門)

初めてのクラウドファンディングに取り組む理由を九郎右衛門は「これまでと違うアプローチをすることで、能を知らないままでいる人たち、手をつないだことのない人たちと出会ってみたい」と話す。

出演は九郎右衛門、野村萬斎、宝生欣哉、味方玄、分林道治、茂山逸平ほか。美術家、杉本博司も公演に協力する。公演の一般向けチケットは売り出さず、公演を鑑賞するにはクラウドファンディングに参加し、特典として提供されるチケットを入手する必要がある。

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