ダイキン、希望者70歳まで再雇用 成果に応じ賞与4段階

ダイキン工業は30日、2021年4月から社員が希望すれば70歳まで再雇用すると発表した。これまでは60歳の定年後、再雇用は65歳までだったが5年延長する。原則一律としてきた賞与も成果に応じて4段階に分けて支給し、ベテラン人材の意欲を引き出す。
現在は65歳までを再雇用期間と位置づけ、それ以上の年齢については会社側が求める人材についてのみ「シニアスキルスペシャリスト契約社員」として雇用している。60歳以上65歳未満の再雇用者は500人ほどおり、制度変更により70歳まで働けるようにする。
ダイキンでは56歳以上の社員の割合が現在20%ほどだが、30年度には25%に上昇する見込みだ。一方、若手が設計した人工知能(AI)による空調機の開発手法についてもベテランが熟練者の観点からアドバイスするなど活躍の場は広がっており、将来にわたって長く働き続けられる環境づくりを急ぐ。「グローバル化するなかで海外で働くベテラン人材も増えている」(人事本部の池田久美子担当部長)という。
賞与は標準的な評価に比べて最大で6割多い金額を受け取れる4段階評価の仕組みを取り入れる。個人差はあるが、年収は55歳時点の7割程度の水準という。
4月には改正高年齢者雇用安定法が施行され、70歳になるまで就業機会を確保することが企業の努力義務となる。