関西電力が挑む3つの変革 25年度経常益2500億円目指す

関西電力が3つの変革に挑む。26日発表した2025年度まで5年間の中期経営計画で、脱炭素の取り組みなどを3本柱に掲げた。厳しい環境下でも安定的な成長基盤を整え、25年度には連結経常利益2500億円以上(20年度見通しは1300億円)を目指す。
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「関電トランスフォーメーションを成し遂げる」。同日の記者会見で森本孝社長は強調した。視線の先にあるのは、脱炭素への挑戦とサービスプロバイダーへの転換、強靱(きょうじん)な企業体質への改革だ。
目先の事業環境は厳しい。新型コロナウイルス禍で電力需要は縮み、新電力との価格競争は激化するばかり。費用面では再生エネルギーの拡大や原子力発電所の安全対策に向けた設備投資の減価償却費負担がのしかかる。
将来の持続成長のためには、量から質への転換が不可欠になる。たとえば、脱炭素。世界的な潮流に乗るだけでなく、利用者目線でも「再エネで自分たちの消費電力をまかないたい、というニーズ」(森本社長)を捉えられる。
サービス面ではソリューション提供の充実で付加価値を高めたい考え。加えて、経費削減や燃料調達の合理化、発電コストの割安な原発の稼働増などを進め、筋肉質な収益構造を整える。
19年に発覚した金品受領問題の信頼回復や先行き不透明な要素を抱える原発事業など課題は山積だ。その中で変革を実現できるかが、25年度の目標達成のカギを握る。(増野光俊)