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青森の中間貯蔵施設 むつ市が共用案に反発

むつ市の宮下宗一郎市長(左から3人目)と面会する電事連の清水成信副会長(右端)=むつ市役所

原子力発電所の使用済み核燃料を一時保管する青森県むつ市の中間貯蔵施設を巡り、根深い対立の構図が鮮明となっている。電気事業連合会が18日、大手電力各社による共用案を説明したところ、むつ市の宮下宗一郎市長は「むつ市は核のごみ捨て場ではない」と強く反発。一方、関西電力の森本孝社長は同日の記者会見で「積極的に参画したい」と述べた。関電は週明けにも、全原発が立地する福井県に報告する方向だ。

宮下市長は地方自治の根本である自己決定権が尊重されていないことが大きな懸念事項だと指摘し、「それが解決しない限り共用化はできない」と伝えた。「中間貯蔵事業は現在でも市民にとって重い事業になっている。今回さらに重い案件が入ってきた。非常に難しい」との認識も示した。

電事連は青森県の三村申吾知事にも同案を説明。三村知事は「青森県にとって全くの新しい話で聞き置くだけにする」と述べた。

一方、中間施設が最も大きな課題となっているのが関電だ。運転開始から40年を超える高浜原発(福井県高浜町)1、2号機と美浜原発(同県美浜町)3号機の3基で再稼働を目指している。福井県の杉本達治知事は是非を判断する前提として、中間施設の県外候補地を2020年内に示すよう求めていた。

電事連で記者会見する関西電力の森本孝社長(18日、東京・大手町)

森本社長は共用案について「高い関心があり、積極的に参画したい」と述べた。実際に施設を利用するかは「今後考えていく」と明言を避けた。むつ市などの慎重姿勢に対しては「立地の皆様の理解なくして事業の展開はない。丁寧に説明を尽くすことが大事だ」と述べた。

原発が立地する福井県の杉本知事は同日、報道陣の取材に対し「関電からの説明を待ちたい」と述べた。「具体的な地点(の提示)と、確定までもっていかなければいけない」とし、関電が県との約束を果たしたかどうかの判断は「話を聞いてから考える」との認識を示した。

むつ市が慎重な姿勢を崩さなければ、関電は使用済み核燃料の置き場のめどがつかなくなり、検討中の複数原発の再稼働計画に支障が生じる可能性もある。50年に温暖化ガス排出を実質ゼロにする目標に向け、核燃料サイクルを動かすことで原発政策の推進を目指していた政府にとって、大きなボトルネックになる可能性がある。

梶山弘志経済産業相は電事連の共用案に対して17日に賛意を示しており、18日の電事連とむつ市長との会談に経産省幹部を同行させるなど、国が関与を強める姿勢を示していた。

電事連の池辺和弘会長(九州電力社長)は同日の定例会見で、共用案について青森県やむつ市から理解が得られない場合、検討には着手しないとの考えを改めて示した。池辺会長は共同利用について「選択肢を広げることは業界として意義がある」として、地元の理解を求める活動を続けると強調した。

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