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型枠製造の高洋商会、オンオフ明確で若手定着率アップ

はたらく

土木用の型枠を製造販売する高洋商会(大阪府岸和田市)は若手社員を定着させるため、仕事のオンオフの切り替えを明確にする仕組みを設けた。型枠の仕事は工事の動向によって繁閑の差が大きい。月ごとに休日数や給与がバラバラだったが、一定とし安定して働けるようにした。離職率が大幅に下がり、社員の半分を若手が占めるようになった。若手の確保が難しい中小の土木・建築業界にヒントとなりそうだ。

型枠のニーズは工事の進み具合に左右され、仕事に応じて対応できる職人も決まるため、働く時間に波が生じやすい。以前は月によって職人の勤務日数は異なり、翌日の出勤の有無が前日に分かることもざらだった。日給制のため、給料が月によって変わる問題もあった。営業職でも休みは日曜だけ。若手は3年以内に辞める人が8割に上った。

問題のひとつは長く働いてきた社員の意識にあった。営業では土日は取引先とのやりとりがないが、「出社すべきだ」という意識が中高年を中心に残っていた。そのため休日取得が進まず、会社も過重な出勤手当を支払っていた。

「このままでは会社が持たない」と危機感を持った常務の山川耕平さんは、2014年ごろに働き方改革に着手した。年始には会社の日程を記したカレンダーを社員に配り、出勤日と休日をはっきり意識させる。定例の給与の合計は以前と変わらない水準としつつ、日給制を月給制に転換。会社で定める休日数を徐々に増やし、今年の年間休日数は14年の2倍を超える107日となった。

仕事の波は今もあるが、若手でもベテランの仕事を手伝えるよう研修し、幅広い職人で仕事を手分けできるようにした。長時間労働の意識が残っていたこともあり「初めは定着しづらかった」(山川さん)が、自身の父である社長も含め説明を重ねたという。

課題だった若手の離職は大幅に改善し、3年での離職率は2割台にとどまる。1年以内に辞める人はほぼゼロだ。14年以前は30代は1~2人だったが、今では10~30代が半数を占める。女性社員も15年の2人から7人に増えた。

無駄な休日出勤手当が不要となり、1000万円ほどのコスト削減にも成功した。働き方の見直しにより、若手の定着とコスト削減の両方の達成につながった。

(山下宗一郎)

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