積水ハウス阿部会長が4月に退任 地面師事件当時の社長

積水ハウスは4日、阿部俊則会長が4月27日の定時株主総会をもって退任し、特別顧問に就くと発表した。阿部氏は2017年に起きた東京・五反田の土地取引に関連し約55億円をだまし取られた地面師詐欺事件当時の社長だった。事件を巡っては、当時の和田勇会長が実質的に解任されて阿部氏ら経営陣と対立。20年に和田氏が自らの取締役復帰を株主提案するなど、お家騒動に発展した。会長席は空席となる。
事件を受けたガバナンス(企業統治)改革の一環で同社は代表取締役の定年を70歳に設定しているが、69歳の阿部氏は1年を残して退く。同社は「ガバナンス改革の進展と、仲井嘉浩社長を中心とする経営体制が安定したこと」を退任の理由としている。阿部氏は非常勤・無報酬の特別顧問に就くが、委嘱期間は住宅関連の業界団体の会長としての任期が切れる8月末日まで。