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タカラベルモント、近未来デザインで注目(古今東西万博考)

1970年・大阪

ジャングルジムの骨組みにカプセル状の部屋をはめ込んだ

美容室向け設備メーカーのタカラベルモント(大阪市)は1970年の大阪万博に中小企業として唯一単独で出展した。キューブ状のカプセルを無数に積み重ねた同社のパビリオン「タカラ・ビューティリオン」は、近未来的なデザインで注目を集めた。

パビリオンでは「未来の生活」を提案した。1~2階は未来の理美容サロンや歯科クリニックの形を提示し、ボタン一つで洗顔から整髪までできる「美容サロンカプセル」があった。3階では回転するステージでヘアショーを開催し、多くの人がプロスタイリストの技を観覧した。

タカラ・ビューティリオンは70年万博で最初に完成したパビリオンだった。「どこよりも早く完成させれば注目される」。創業者の故・吉川秀信氏の号令だ。建物の骨組みは巨大なジャングルジム。その中にカプセル状の部屋などをはめ込んで、短期間で完成させた。

設計は後に国立新美術館などを手掛けた建築家の故・黒川紀章氏が担当した。最上階の4階はカプセル式の住宅で、現在のカプセルホテルの原型にもなった。黒川氏の紹介でコシノジュンコ氏がコンパニオンの衣装を、横尾忠則氏が内部の壁紙などのデザインを手掛けるなど、当時新進気鋭のアーティストらが参加した。

カプセルが重なる奇抜なデザインで話題を集めたことは、タカラベルモントの製品開発にも影響を与えた。それまでは機能に重点を置いていたが、「万博を機にデザインの力を再認識」(同社)したという。万博以降、国内外の有名デザイナーとコラボした美容室向け椅子などの商品を開発している。(山下宗一郎)

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