大阪府、ワクチン接種で来週協議会 接種希望者30万人
大阪府の吉村洋文知事は27日、新型コロナウイルスのワクチン接種に向けて、大阪市や堺市など府内市町村や、府医師会らによる協議会を来週中に開催する意向を明らかにした。府内では、3月上旬から医療従事者を対象に優先接種がスタート。府の調査ではこれまでに約30万人が接種を希望しており、接種開始に向けた課題整理や情報共有を進める狙いがある。
吉村氏は同日の定例記者会見で「府民へのワクチン接種主体は市町村だが、広域的に府が支えてオール大阪で対応したい」と述べた。来週中に第1回の会議を開き、迅速な接種体制の構築を図る。吉村氏は「一部のエリアだけ接種が遅れるということがないよう、府で支援したい」としている。
府内でのワクチン接種は、3月上旬からまず医療従事者を対象にスタートする。府が医療機関などに事前調査したところ、現時点で約30万人の医療従事者が接種を希望しているという。その後、各市町村が主体となり3月下旬をめどに高齢者への優先接種が始まる見込みだ。
大阪市の松井一郎市長は27日の記者会見で、ワクチン接種の会場は医療機関だけでなく、市の施設での集団接種も実施する考えを明らかにした。3月下旬から4月ごろに約70万人の高齢者への接種を始め、高齢者以外の市民にも国の方針に従い順次接種する想定だという。
松井氏は接種会場や医療従事者の数について「計画を詰めているところ」とした上で、「ワクチンがいつ届くとか、国からの具体的な考え方を待っている状況だ。早く我々に伝えて頂き、まずは高齢者に安心して接種できる体制を作っていきたい」と述べた。市は既に接種業務を担う事業者を決定。2月に十数人程度のチームを設置し、事業者と連携して準備を本格化する予定だ。