ウーバーに虚偽登録疑い、ベトナム籍の男摘発 大阪府警
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料理宅配サービス「ウーバーイーツ」側に、他人の在留カードを撮影した画像を自身のカードと偽って配達員登録をしたなどとして、大阪府警天満署は26日、大阪市都島区のベトナム籍、ボー・バン・タム被告(24)=入管難民法違反罪で公判中=を電磁的記録不正作出・同供用容疑などで追送検した。
同署によると、料理宅配サービスの外国人配達員の登録を巡る立件は全国初とみられる。同容疑者は「配達員は希望の時間で働ける上、効率的に稼げた」と供述している。配達員として平均で月15万円程度の収入を得ていたという。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、宅配サービスの利用が浸透。配達員登録は増えたが、登録が簡単なため在留資格のない外国人の不正登録の温床になっているとも指摘されていた。
追送検容疑は不法滞在で就労資格がないにもかかわらず、2020年4~8月に他人名義の資格外活動許可証や在留カードを使い、インターネット経由で配達員登録をした疑い。他人の在留カードと自身の写真を使って申請していたが、ウーバー側は気づいていなかった。
捜査関係者によると、同容疑者は18年に技能実習生として来日したが、実習先を脱走。建設作業員をしながら各地を転々とし、20年4月から大阪に住み始めた。同10月、配達員の勤務中に路上で職務質問されたのを機に入管難民法違反(不法滞在)容疑で現行犯逮捕され、同月に起訴された。在留カードはSNS(交流サイト)を通じてベトナム人ブローカーから入手したとみられ、同署は入手の経緯を調べる。