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伊方原発、10月末にも再稼働 高裁が四国電の異議認める

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四国電力の伊方原子力発電所3号機(左)=愛媛県伊方町

四国電力伊方原子力発電所3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを命じた広島高裁の仮処分決定を巡り、四国電が決定の取り消しを求めた異議審で、広島高裁(横溝邦彦裁判長)は18日、異議を認めて再稼働を容認する決定を出した。四国電によると、3号機は現在、テロ対策施設の工事を進めており、10月末にも再稼働する見通しとなった。

横溝裁判長は決定理由で「現在の科学的知見からして、原発の安全性に影響を及ぼす大規模自然災害の発生する危険性が具体的に高いとは認められない」とした。

仮処分を申し立てたのは伊方原発から50㌔圏内にある山口県東部の島の住民3人。原発近くに活断層があるかどうかや、約130㌔離れた阿蘇山の噴火のリスクの評価が争点だった。

異議審決定を受け、「不当決定」などと書かれた垂れ幕を掲げる住民側の関係者(18日午後、広島高裁前)=共同

運転差し止めを命じた2020年1月の広島高裁決定は四国電の調査が不十分としたが、横溝裁判長は海上音波探査を踏まえて原発敷地の2㌔圏内に活断層はないとした四国電の判断に「不合理な点があると認められない」とした。

阿蘇山の噴火リスクでは「専門家の間でも意見が分かれている。原発の安全性に影響を及ぼす噴火を引き起こす可能性が高いとは認められない」と指摘。20年1月の高裁決定が批判した四国電の火山灰などの量の想定も「過小とは認められない」と結論づけた。

今回の仮処分申請の一審にあたる山口地裁岩国支部決定は「巨大噴火が起きる可能性は小さい」などとして住民側の訴えを退けた。20年1月の即時抗告審の広島高裁決定を受け、四国電が異議を申し立て、抗告審とは別の広島高裁の裁判長が審理していた。

伊方原発3号機を巡っては、17年12月に広島高裁が阿蘇山の巨大噴火の可能性を理由に運転差し止めを命じた。この時は同高裁での異議審で一転して運転を認める決定が出たため18年10月に再稼働した。

判決後の記者会見で住民側の中村覚弁護士は「(安全性に関する)全ての立証を住民側に負わせるありえない司法判断だ」と批判。今後の対応について近く協議するという。四国電は「これまでの主張が裁判所に認められたものであり、妥当な決定だと考える。安全対策に不断の努力を重ねていく」とのコメントを出した。

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