笹酒祭りコロナでお酌中止 奈良・大安寺、持ち帰り制に

奈良市の大安寺で23日、日本酒を振る舞って健康長寿や無病息災を祈る「笹酒祭り」が開かれた。例年は「笹娘」と呼ばれる着物姿の女性が竹の筒に入った日本酒を参拝客にお酌するのが風物詩だが、今年は新型コロナウイルス感染防止策としてお酌は行わず日本酒が入ったボトルを配る「持ち帰り制」とした。
境内のテントでは、マスクと透明な手袋を着用した笹娘が拝観者にペットボトル入りの酒と竹製の杯を配った。3回目の参加という奈良市のパートの女性(43)は「ボトルがかわいく、家に帰ってからゆっくりいただきます」と笑顔だった。
奈良時代に62歳で即位した光仁天皇が大安寺の境内に生えていた竹に酒をついで飲み、健康を保ったとされる故事にあやかった行事。この日は光仁天皇の命日とされる。〔共同〕