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河内ワイン 「自分の畑」で従業員のやる気醸成

はたらく

管理を任された「自分の畑」でブドウの木の手入れをする北村さん(大阪府羽曳野市)

大阪で85年以上、ワイン造りを続ける河内ワイン(大阪府羽曳野市)は、2020年3月から「自分の畑」という制度を導入し、各従業員がブドウの栽培に責任を持つ担当区画を設けた。現在、畑を受け持つのは社員3人、パート3人の計6人。短期的には栽培失敗の懸念もあるが、ワイン造りに誇りを持ち、地域で活躍する人材を長期的に育成していく狙いがある。

12年間勤めているパート従業員、北村恵さん(49)は、3年前にソムリエの資格を取得したほどのワイン好き。「自分の畑」を持つことでやる気に火が付き、専門書を読み、地域のブドウ農家にも教えを請うなど、必死にブドウ栽培の方法を学んでいるという。

「畑を任され『自分がやらなければ』という責任感が生まれた。こんなにやりがいと充実感を感じたことはない」。ワイン好きのボランティアらに協力してもらい、学んだ知識も共有しながらブドウの木を手入れした。一から育てたブドウがワインとして瓶詰めされた際は「涙が出るほどうれしかった」と語る。

同社でも新型コロナウイルスの影響は大きく、昨春以降、ワイナリーを訪れる団体客らの足が遠のいた。「自分の畑」はワイン造りの原点に立ち返るための試み。金銅重行社長(41)は「自分の手でブドウを一から育てることで学ぶことは多い。失敗してもいいと長い目で見ている」と話す。

現在、同社が管理する畑は約2ヘクタール。その大半を従業員が「自分の畑」として受け持つ。営業先の飲食店の担当者を何度も畑に招き、一緒に収穫までするなど、信頼関係の構築につなげている従業員もいるという。

20年4月には、ワイナリーの見学会で説明を担当する従業員の「指名制度」も導入した。「繰り返し指名を受けるには、前回と同じ説明はできない」と金銅社長。いかに見学客を楽しませるか考え、ワインの知識を深める必要があるという。指名が多かった従業員には特別手当の支給、北海道のワイナリーなどへの研修旅行などの特典がある。

同社の畑には地域のブドウ農家、ワイン好きのボランティアらが頻繁に訪れる。金銅社長は「会社としてだけではなく、産地として発展していくためには地域とのコミュニケーションが不可欠」と話す。従業員の意識を高め、地域と一体で地産ワインの誇りを醸成するのが目標だ。(札内僚)

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