阪神大震災26年 緊急事態宣言下、分散で犠牲者追悼
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6434人が犠牲となった阪神大震災の追悼行事「1.17のつどい」が16日、神戸市中央区の東遊園地で始まった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令される中、亡くなった人々の名前を刻む「慰霊と復興のモニュメント」で市民らが祈りをささげた。例年は地震発生時刻の17日早朝に開くが、今年は来場者の分散を促すため16~17日の日程とした。
会場では午後5時46分に黙とうし、「がんばろう」の形に並べられた紙灯籠にろうそくの火がともされた。震災当時の被災者を鼓舞した言葉で、新型コロナの苦境に立ち向かう意味も込めた。17日は地震発生時刻の午前5時46分に灯籠で「がんばろう 1・17」の文字を点灯し、犠牲者を悼む。
会場に足を運んだ奈良県在住の木戸将之さん(57)は当時住んでいた神戸市灘区で被災し、近所に住む小学校時代の同級生が亡くなった。「少しの違いで生と死が分かれることを体験し、価値観も大きく変わった。コロナ下で規模は縮小しても追悼の機会は大事だ」と話した。
来場を控える人のため、事前に市内の小中学生や市民らから集めたメッセージを基に「紙灯籠」を制作し、会場に並べた。
市長や遺族代表によるあいさつは事前に収録した動画などを市のホームページで17日に公開する。発生時刻の黙とうは事前に登録した人向けにオンライン会議システム「Zoom(ズーム)」で配信する。