日本PCサービス、LGBT研修で接客時の配慮学ぶ - 日本経済新聞
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日本PCサービス、LGBT研修で接客時の配慮学ぶ

はたらく

パソコン修理大手の日本PCサービスは昨年夏から、LGBT(性的少数者)に関する知識を深めるための社員研修を始めた。パソコン修理ではプライベートなデータに触れることも多く、適切な配慮によって顧客満足度を上げ、誰でも利用しやすいサービスと認知してもらうのが狙いだ。

初回の研修は2020年7月に実施した。企業などにLGBT研修を行う一般社団法人「CialFrame」(シャルフレーム、東京・千代田)が、講師とLGBTの当事者2人を日本PCサービスの大阪本社と東京の支社に派遣。オンラインも活用し、全国の店長ら約30人が受講した。

その後、各店舗で接客にあたる社員に対し、社内で作成した資料も使って説明。LGBTの顧客に対する配慮を学んだ社員は計約100人に上るという。

東京都国分寺市の支店の店長、木村吉伸さん(37)はオンライン研修を受講。同社の社員はパソコンの修理、デジタル遺品の整理などで顧客の自宅を訪問することが多く、研修では訪問時に必要な配慮、言葉遣いなどを細かく学んだ。

研修で重要性が指摘されたのは、接客時にプライベートな話題に踏み込みすぎないこと。また「奥様」や「旦那様」といった性別を前提とした言葉は避け、「パートナー」など多様性に配慮した言葉を使うことが望ましいという。

パソコン内には個人の性的な指向を示すデータが含まれていることもあり、修理の際に目にした場合も、冷静に対応することが必要だ。木村さんは「研修を受けたことで、より具体的に対処法がわかった」と話す。

電通ダイバーシティ・ラボが6万人(20~59歳)を対象に20年12月に実施したインターネット調査によると、LGBTを含む性的少数者の当事者は8.9%で、15年の調査と比べると1.3ポイント上昇した。LGBTへの認知度が上がり、自分の性と向き合う人が増えたことも要因とみられる。

新型コロナウイルスの感染拡大による在宅ワークの拡大に伴い、日本PCサービスではパソコンなどの修理に関する問い合わせが増加し、20年度は19万件に達した。同社はLGBTに限らず多様な顧客のニーズに応えるため、今後も社内研修を充実させる方針という。(高木雄一郎)

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