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緊急事態要請へ調整 関西3府県、感染最多で「先手」

(更新)

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、大阪府の吉村洋文知事は7日、政府へ緊急事態宣言の発令を要請する意向を示した。奈良を除く関西の5府県で同日の新規感染者数はいずれも過去最多を更新しており、兵庫県や京都府と足並みをそろえて要請する方向で調整する。感染者増加や首都圏との往来で今後さらに感染が広がる可能性も踏まえ、行動変容を促すためにより強い感染防止対策が必要だと判断した。

「首都圏の状況を見ると、大阪でも同じ状況が起きる。さらなる拡大を抑えるために、先手の対応を打つべきだ」。吉村氏は7日、記者団に緊張した様子で述べた。兵庫県の井戸敏三知事も同日、「(陽性者の)数の増え方が急激になっている。宣言を国に求めるのも検討しないといけない」と語った。京都府の西脇隆俊知事は「緊急事態宣言の要請を視野に入れるべき段階に来ている。大阪、兵庫と足並みがそろえば、一緒にやったほうがいい」と述べ、3府県で一緒に要請を行う考えを示した。

菅義偉首相は7日、大阪府や愛知県へ宣言する可能性を問われると「現時点ではそうした状況にはない」と答えた。感染者数が高水準にあると指摘して「状況を見ながらしっかり対応したい」とも述べた。西村康稔経済財政・再生相は7日夜の記者会見で、経済圏や生活圏が重なることを踏まえ、大阪府に加え「京都府や兵庫県も一体的に見なければならない」と話した。

報道陣の取材に応じる吉村大阪府知事(7日、大阪府庁)

「感染の急拡大はなんとか抑えられている。国に要請するつもりは今はない」と4日に述べていた吉村氏。発令要請へと方針転換した背景には、直近の感染者数が急増していることがある。大阪府内の7日の新規感染者数は607人を記録。6日の過去最多だった560人より増加し、感染者急増に歯止めがかからない。年末年始の休暇で年明けに受診が集中した面はあるものの、府健康医療部の担当者は「今後の感染者がどれほど増えるか予断を許さない状況だ」と危機感を示す。兵庫県も284人の感染が判明し、2日連続で過去最多を更新。京都府でも最多の143人が確認されるなど3府県で1000人を超えており、感染状況は悪化している。

政府の分科会が感染状況を判断する病床使用率など6指標のうち、大阪は5日時点で陽性率と1週間の感染者数(10万人あたり)の指標を除いて最も深刻な「ステージ4」の段階だ。近畿大の吉田耕一郎教授(感染症学)によると、近畿大病院(大阪狭山市)のコロナ専用病床は逼迫した状況が続いているという。「医療従事者の努力だけでは感染者を減らすことはできない。国民が団結してコロナを抑え込まなければならない段階になった」と緊急事態宣言の必要性を指摘した。

これに対し、菅首相の記者会見に同席した政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は「集中的に行うのは首都圏だと思う」と語ったうえで「関西でもステージ4になれば当然考慮する」と話した。

大阪府内では感染が郊外に広がる傾向が強まっている。府が大阪市北区と中央区に時短要請をした2020年11月27日以降、市外の感染者の割合が増加。府の資料によると、同月15~28日は市外の感染者が50.6%(2264人)だった。それが直近2週間で61.7%(2592人)と約10㌽上昇している。大阪市の松井一郎市長は「市内の飲食店で(時短要請を)かけた分、市外で密の状況があったと想像している」と説明した。

(大元裕行、玉岡宏隆)

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