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飛行機操縦を疑似体験 海外へ夢広げる(古今東西万博考)

1970年・大阪

1970年大阪万博で披露された日立グループ館のフライトシミュレーター(万博記念公園提供)

1970年大阪万博の日立グループ館で展示され、大人気だったのがフライトシミュレーターだ。海外渡航は自由化から6年でまだ年間100万人に満たない時代。飛行機は子どもたちにとって夢の乗り物だった。離着陸時の操縦まで疑似体験できる仕様が注目を集め、館内へとつながる長さ40メートルの空中エスカレーター前には連日長蛇の列ができた。

入場者は1グループ128人。8人1チームで16の操縦室に分かれて入り、前方にある操縦かんを交代で操作した。操縦かんを左右に倒すと機体の傾きを感じ、窓の外の地平線も動くなど、実際に操縦をしているような感覚を味わえるのが売りだった。

離着陸時のシミュレーション映像は、実は空港の模型(600分の1)の上部にクレーンでカメラをつるし、リアルタイムで撮影したものだ。操縦かんの動きとカメラの動きはコンピューターで連動し、実際に操縦しているような感覚で空港の景色を映し出し、体験終了後、パビリオンのスタッフがその装置の仕組みの種明かしをしてくれた。離着陸以外の場面では、飛行中に上空から見える各地の映像が流された。

民間人も楽しめるフライトシミュレーターの展示は日本で初めて。これを契機に全国に同種の体験施設がオープンした。また、万博に合わせて本格的に国際空港化した大阪国際(伊丹)空港の利用者も大幅に増えたという。万博に詳しい大阪府立大学の橋爪紳也教授は「大阪万博をきっかけに世界の広大さを実感した子どもたちは多い。空の旅を疑似体験するフライトシミュレーターは、まだ見ぬ世界への憧れを高める装置だった」と話している。(高木雄一郎)

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